「モームリ」元社長ら有罪判決で退職代行がオワコン化か 「取り合わない」企業3割、弁護士の参入で薄れる存在感

弁護士事務所が1万9800円「だったら専門家に頼もう」

   さらに民間業者にとって厳しいのが、弁護士事務所があまり価格差のない料金で参入してきたことだ。

   例えば、モームリは正社員・契約社員・派遣社員の利用料金が2万2000円。一方、アディーレ法律事務所は、弁護士が勤務先に退職意思を伝えるライトプランを1万9800円で提供している。有休消化や退職日の調整などの交渉を含む場合は別プランにする必要があるが、意思を伝えるだけならモームリよりも安い。

   東京商工リサーチは、退職代行について「代行サービス業者、労組、弁護士が相まみえる市場になりつつあり、今後は淘汰の波が押し寄せる可能性もある」と指摘する。法律のプロである弁護士事務所が同程度の価格で参入すれば、利用者の頭に「退職代行サービスを選ぶ意味はあるのか」「だったら専門家でいい」という疑問が浮かびかねない。

   ただ、退職代行の需要が消えることはない。ブラック体質や人手不足などの事情から強く引き留める職場はあり、自分から辞めるとは言い出せない人は確実にいる。

   モームリは、退職後の部屋探しや転職サポート、スキル習得支援なども打ち出し、弁護士事務所などのライバルとの差別化を図ろうとしている。民間業者が生き残るなら、安さだけでなく、こうした周辺サービスや手軽さで差を示す必要がある。

   会社を辞めたい人はいなくならないが、イメージ悪化や競争の激化で「オワコン化」が懸念される退職代行サービスは、これまで以上に「選ばれる理由」を求められることになるだろう。

1 2 3
姉妹サイト