12億円の過大徴収の裏で、過去最高益を叩き出す
それにもかかわらず、なぜ中部電力の屋台骨はびくともしないのか。
それは、いくら社内で不祥事を起こそうが、コストがかさもうが、最終的に電気料金が転がり込んでくるからだ。
2023年6月、ウクライナショック以降の資源高に対し、同社は家庭向け規制料金の値上げを見送った。
これだけ聞くと、良心的なインフラ企業に映るが、2016年の電力自由化以降、ポイント還元などで契約者の8割以上をすでに自由料金へ移行させており、あえて規制料金を申請しなくても、すでに大半の家庭で上限なしの燃料費転嫁ができていたからに過ぎなかった。
規制料金は、料金の見直しの際に国の認可や届け出が必要だ。一方で自由料金は、電力会社が自由に設計できる。
さらに、管内にひしめくトヨタ自動車をはじめとする世界的製造業に対し、操業に不可欠な特別高圧・高圧電力を大幅に値上げした。
これらが重なったこともあり、同社は2024年3月期に過去最高益を叩き出し、春闘では満額回答の賃上げを達成した。
一般家庭や地域産業がコスト高に喘ぐなか、計算ミスで12億円も余分に徴収される。その一方で、電力会社は過去最高益を記録し、社員の懐は温かい。あまりに不条理ではないか。