「できる人」に仕事を集める上司が組織を弱くするのはなぜ 優秀な社員の「頑張り」に頼りすぎていませんか

頼れる社員が休める職場になっているか

   仕事の集中を放置すると、頼られる本人だけでなく、周囲の成長機会も失われます。難しい案件はいつも同じ人が担当し、ほかの社員は経験を積めない。能力差が広がり、ますます仕事を分けにくくなる。この循環を変えることが管理職の仕事です。

   まずは、最も頼りにしている社員が、安心して1週間休める状態かを考えてみてください。

   その人がいなければ重要な判断が止まる、顧客との約束が分からない、資料の所在さえ誰も把握していない――。そうであれば、本人の責任感に頼って解決できる問題ではありません。情報の共有や補佐役の育成を、上司の責任で進める必要があります。

   優秀な社員を大切にするとは、褒めて仕事を託し続けることだけではないはずです。その人が力を発揮できる仕事を見極め、次の挑戦に向かう時間をつくること。そして、その人が培った知恵を、周囲も活用できるようにすることです。

   「あの人なら何とかしてくれる」と思ったときこそ、一度立ち止まってみてください。その期待に応え続けるための条件を、上司である自分は整えているでしょうか。



【筆者プロフィール】
高城 幸司(たかぎ・こうじ)/株式会社セレブレイン代表取締役社長。1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)、『決定版 「リーダーシップのコツ」をマンガでマスターできる本』(Gakken)

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