年末年始にみるべき「仕事に役立つ映画」

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   年末年始の過ごし方は人それぞれだろうが、家の中でのんびり過ごす人も多いに違いない。なかには、映画のDVDを見る人もいるだろう。映画にもいろいろあるが、楽しむことができて「仕事にも役立つ」映画があれば一石二鳥ではないか。そんな映画を、J-CAST会社ウォッチのコラムニストの面々に推薦してもらった。

「300」でスパルタ兵の「職業意識の高さ」を学べ!

300(スリーハンドレッド)
「職業意識の高さ」を感じさせる「300」
「この映画には、小が大に挑むための戦略のヒントが詰まっています」

   そう言いながら、古代ギリシアを舞台にした戦争映画「300」(スリーハンドレッド)を挙げたのは、「『できるヤツ』と思わせる20のコツ」を連載している社会保険労務士・野崎大輔さんだ。

   この映画は精鋭300人のスパルタ軍が100万人のペルシア帝国軍の侵略を防ぐというストーリー。2007年に公開されたときは、CGをふんだんに使った迫力ある戦闘シーンが話題になったが、野崎さんはスパルタの兵士の「職業意識の高さ」に注目する。

「圧倒的に不利な状況にもかかわらず『世界最強の軍隊を相手に戦う事ができる』と高笑いするスパルタ軍の兵士の姿に、兵士という職業意識の高さが表れています。ビジネスマンも見習うべき姿勢だと思います。プライドを守るために戦うというスタンスは必見です」
生きる
「働くことの意味」を伝える映画「生きる」

   「仕事に対する誇り」について考えさせてくれる映画といえば、黒澤明監督の名作「生きる」も外せない。1952年公開のこの映画を推薦するのは、「外資系で働くということ」を連載中の益村誠一郎さんだ。

「半世紀以上前の映画であり、しかも具体的に仕事のヒントになるようなところもない。でも、この映画ほど『働くことの意味』を考えさせられる作品はないと思います。市役所の課長としてつまらない人生を生きていた主人公。或る日、彼は自分が胃がんであと数ヶ月の命であることを知る。そして生きる意味を求めて、公園作りに奔走する・・・。『生きる』は、あなたの仕事に対する意識を変えることでしょう」

   「いまの仕事にやりがいが感じられない」。そう考えている人にぜひ見てほしい映画だ。

七人の侍
プロジェクトストーリーとして秀逸な「七人の侍」

   日本を代表する巨匠・黒澤明監督の作品には、ほかにも「仕事に役立つ映画」がたくさんある。「ITとほほ観察記」を執筆している井上トシユキさんは「七人の侍」(1954年)をプッシュする。

「優れた娯楽作品であるだけでなく、プロジェクトストーリー、あるいは起業譚としても秀逸な映画。所与の限られた要件内での人材獲得、教育研修、戦略立案、戦術展開、適材適所、チームの連携と、ビジネスでも参考になるシーンが満載です」

   この「七人の侍」も半世紀以上も前に作られた映画だが、現代のビジネスと共通する点が多いと井上さんは指摘する。

「指揮官である島田勘兵衛(志村喬)が最後に『勝ったのは百姓たちであり自分たちではない』と一人ごちるシーンも、とどのつまりユーザーや消費者が主役なのだ、とのビジネスセオリーを思い起こさせます」

働く女性の圧倒的支持を集める「プラダを着た悪魔」

プラダを着た悪魔
見れば元気が出るポジティブ映画「プラダを着た悪魔」

   J-CAST会社ウォッチで連載している8本のコラムのうち、半分は女性のコラムニストが書いている。それら女性陣から「仕事に役立つ映画」として、異口同音にあがってきたのが「プラダを着た悪魔」(2006年)だ。

   有名ファッション誌の編集部に就職した田舎娘が、悪魔のように厳しい上司のもとで頑張る姿を描いた物語。上司の過酷な要求に耐えながら少しずつ成長していく主人公(アン・ハサウェイ)の姿に多くの女性が共感した。「メタボ ストップ!クッキング」を担当している管理栄養士の大柴久美子さんもその一人だ。

「映画の中には、怖くて厳しい上司が出てきますが、努力しないで愚痴っても誰も聞いてくれない。 周りに何かを期待するのではなく、自分から切り開いていく姿勢が大事なんだと感じました。仕事で悩んだとき、元気に、前向きになれる映画です」

   「シュガー社員がやってきた!」を連載中の社会保険労務士・田北百樹子さんも

「ファッション誌に勤務しようというのに服装のセンスがゼロの主人公が、厳しいカリスマ編集長にしごかれながらも徐々に仕事のおもしろさに目覚めていくのが小気味いい」

と語る。映画の中で気に入っているシーンは、主人公が会社の先輩に「努力しているのに認めてくれない」と言ったとき、「努力なんてしていない。グチを並べているだけだ」と言われる場面だ。

「これ、シュガー社員だったら翌日から出社しないでしょうね。仕事のやりがいは努力の後に見えてくるのが良くわかります」

   「畑をかよう社長秘書の日記」を執筆している株式会社セレンの大倉野あやかさん。彼女のオススメ映画もやはり「プラダを着た悪魔」だった。

「つらい仕事でも、自分の夢のために協力者を増やして認められていく様子がたくましいなと思いました。苦手な上司がいる方は、対処法として見てみるといいかもしれません」

「ウォール街」を見れば金融危機の原点がわかる!

ウォール街
いま再注目されている映画「ウォール街」

   一方、大倉野さんが「金融に強い上司がプッシュしていた」として推薦してくれたのが、オリバー・ストーン監督の 「ウォール街」(1987年)だ。

「出世願望の強い若手証券マンと、冷酷かつ貪欲な投資銀行家の物語だそうで、M&Aの内側が赤裸々にわかるとお勧めとのことです」

   米国の投資銀行が引き起こした金融危機に世界がほんろうされている今。20年前に作られたこの映画を見れば、問題の原因が見えてくるかもしれない。ただし、DVD化されておらず、VHSビデオテープしかないので、レンタルショップに置いてあるかは微妙だが。

   この「ウォール街」とほぼ同時期に公開されたのが、フランシス・フォード・コッポラ監督の「タッカー」(1988年)だ(こちらもVHSのみ)。これは、1940年代後半にアメリカで自動車会社をつくった起業家プレストン・タッカーの半生を描いた作品だ。「サラリーマンに向かないヤツ」を連載している塚田祐子さんが挙げてくれた。

タッカー
自動車産業が危機に瀕する今だからこそ見る価値がある「タッカー」
「しばらく映画を見ていないので、思いつく作品がないのですが・・・。ちょうど私が独立して創業したころ見た映画です。株式という形で、夢に投資してくれるアメリカはいいなと思いました」

   「株式会社」という資本主義の根幹にある仕組みを最大限に生かして発展してきた国、アメリカ。「タッカー」はその象徴である自動車産業の勃興期を描いた映画だ。自動車業界がかつてない危機に直面している今、改めて見直してみるのもいいだろう。

   最後に、ただいま劇場公開中の映画を一つ。「29歳の働く君へ~いまからでも遅くない!」の城繁幸さんが推薦する「トウキョウソナタ」だ。雇用問題について鋭い提言を投げかけている城さんらしく、「トウキョウソナタ」には現在の日本の雇用状況の変化が現れていると指摘する。

「日本的雇用が崩れる中、日本的家族モデルも変化せざるをえません。 具体的には、会社人間の父と専業主婦の母、ローンで家を買うと いう家族像です。本作品には変化を受け入れる家族と受け入れられない家族が登場する。答えはなんてことないもので、それもすぐ身近にあるのですが、そういうものほど見つけにくいのかもしれません」

   この映画は2008年のカンヌ映画祭で、「ある視点」部門審査員賞を受賞。DVD化はまだ先になるが、08年秋から09年春にかけて全国各地の映画館で上映中だ。

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