いまどき「シュガー社員」には「ビター上司」で対抗せよ

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   依存心の強いシュガー社員は、仕事で一人前にならないうちから、会社や上司を責めることに長けています。その一方で、自分自身を客観的に省みようとはしません。そんなシュガー社員に真っ向から対抗できるのは、厳しい自立心を持ち、信頼関係を大事にしようとする「ビター上司」でしょう。

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「世代間ギャップ」を認めることも必要

   豊かな時代に育ったいまどきの若手社員に、「シュガー」な傾向を持つ社員が多いことは間違いありません。しかし、すべての若手が最初から「砂糖漬け」というわけではありません。いつの時代にも、世代間ギャップはあるものです。年長者は、若者に迎合する必要はありませんが、ギャップの存在を認めて、不都合がない限り自分の価値観を押し付けすぎないことです。

   「ずいぶん甘いこと言っているなあ」と思われるかもしれませんが、小さな不満を最初に取り除いておかなければ、若手を次の成長ステージへ持っていくことが困難になるのが現実です。昔は、面と向かって「これだから今の若いモンは・・・」と言われても黙って耐えていたかもしれませんが、今なら「こんな上司の言うことなんか聞くわけない」となって、使える人材も使えなくしてしまいます。

   どうしようもないシュガー社員の場合は、能力を見切って重要な仕事に付けないなどのリスク管理が必要ですが、「常識も価値観も、昔とは違っている」ことを軽く見て、なんでも年長者に従うのが当然と考えていると、部下とも信頼関係を作ることはできません。

   たとえば、職場の宴会でも「とりあえずビール!」が一般的でしたが、いまの若手はそれぞれに好きな飲み物を注文したがります。ここで「おい、ビールでいいよな!」と叫んではいけません。こんなところから「自分の好きなものも飲めない会社の飲み会はつまらない」となってしまうのです。見直しを迫られる職場の「暗黙のルール」も増えることでしょう。

最後は「この人が言うのなら」という関係づくりを

   さて、部下との信頼関係は「約束→実行」の繰り返しで得られるものです。ルーズさが抜けないシュガー社員ですが、上司の背中はよく見ています。ベテランになると、つい「自分は許される」「おまえは10年早い」と例外を持ち出したくなりますし、実際それでよい場合もあるのですが、「約束やルールは守らなければならない」とシュガー社員に認めさせるためにも、踏ん張って自ら守らざるをえません。

   また「自己主張しろ」という学校教育を受け、自分の意見を言える若手が多くなってきたことは喜ばしいのですが、まともな意見であっても、上司が「意見」慣れしていない場合があります。「今までそんなこと言ってきた部下はいない」「前例がない」と却下してしまえば「じゃあ、もう言わない」「こっちだってあなたの言うことなんて聞くものか」となってしまいます。

   「現状の会社では、すぐには実現が無理」ということでも、理にかなった申し出であれば、どこまで手配したのかを伝えた上で、「今回は要望に添えなかったが、今後近づけるよう努力する」と伝えれば、切り捨てられた感覚にはならないはずです。そして、機会を見て実現に尽力している姿を見せることで「約束が実行された」という信頼感を得ることができます。

   会社の方針が変わって、これまで許されていたことができなくなることもあります。最終的には「これは会社が決めたこと」というしかありませんが、だからといって頭ごなしに「組織では上位下達が当然」「文句を言うな」では、部下から尊敬される言葉からは遠ざかっていきます。

   まずは「いかに相手が納得できる説明ができるのか」が問われますが、それだけでなく、そのような真摯な態度を、日ごろから繰り返していることが重要です。最後には「この人が言うのなら仕方がないか」という信頼関係を築いていくことが大事です。若手の意見には耳を傾けるが、毅然とした態度は崩さない、ちょっと苦味のある「ビター上司」を目指してください。

田北百樹子

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田北百樹子(たきた・ゆきこ)
札幌市出身。田北社会保険労務士事務所所長。保険関係の手続や就業規則作成にとどまらず、人事考課制度導入や社員教育など、企業の人事労務を幅広くサポートしている。「シュガー社員」の名付け親で、09年3月にはシリーズ第3弾となる『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)を刊行。
「シュガー社員」から会社を守れ! (PHPビジネス新書)
「シュガー社員」から会社を守れ! (PHPビジネス新書)田北 百樹子

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