「豚もおだてりゃ木に登る」で人は育つのだ
2009.02.23 12:06
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正論でモチベーションを低下させる上司は害悪だ
ここで思いつくのは「豚もおだてりゃ木に登る」という言葉だ。これを組織として真顔で肯定できる部門は活性化する。正論で相手のモチベーションを低下させる上司や同僚は、マネジメント的には害悪である。そんな正論は、なんの価値も生み出さないどころか、組織の価値を低下させるからだ。「いかに相手のモチベーションを高めるか」という判断基準でコミュニケーションができる組織こそ、幼稚なのではなく、逆に成熟した組織であることを念頭に置いておきたい。
ときには、誰もが持っている「自己評価の甘さ」、言い換えれば「前向き幻想」を利用することも考えたい。例えば新人に対し、あなたは同期で何番目くらいに優秀だと思いますか、と質問すると「みなさん優秀なので、自分は下の2割くらいじゃないかと…」と謙虚に答える。ところが、この質問を無記名のアンケート方式にすると、事態は一変する。なんと6割の新人が、自分は上位の2割に入っていると答えるのだ。
心理学ではそういった現象を「ポジティブ・イリュージョン」と呼ぶという。こんな勘違い社員には、冷や水を浴びせてモチベーションを下げるよりも、勘違いにドライブを掛けてしまったほうがいい。私自身もそう育てられた実体験が何度もある。振り返れば、間違いなく効果的な方法だったと思わざるを得ない。