<できコツ22>凡人は「ワーク・ライフ・アンバランス」から始めよう

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   「ワーク・ライフ・バランス」の重要性が注目されるようになりました。遊び好きの私としては、大賛成の傾向です。しかし、「ライフ」を充実させるためには、まずは「ワーク」をしっかりこなして、一人前の社会人になる必要があるのも事実です。凡人は、まず仕事漬けの日々を経験して、一皮向けることを目指しましょう。

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一人前になるには「仕事漬け」の経験も必要

   ワーク・ライフ・バランスのねらいは、仕事とライフ(プライベート)を調和させて、心身ともに健全な状態を保ち、好循環を生み出すことです。しかし残念ながら、この意味を誤解している人は少なくありません。「プライベートを充実させること」だけが、ワーク・ライフ・バランスではないのです。

   私が新卒の面接担当だったとき、何人かに1人は、熱心にこう尋ねる学生がいました。

   「御社のワーク・ライフ・バランスは、どうなっていますか?」

   どういう意味かと尋ねると、「定時に帰れますか」「残業はどのくらいあるんですか」という質問が返ってきます。入社前から、この点にばかり興味を示す学生を見ると、「仕事をしに来るつもりがあるのか?」と疑問を感じてしまうのが正直なところです。

   この学生の考えるワーク・ライフ・バランスからは、「仕事」の部分が抜け落ちています。最初から「デキる人」は別として、凡人は能力が高くないのですから、最初のうちは何をするにしても時間がかかります。仕事の量や種類をこなしていく中で、能力が磨かれ、効率化の方法が分かってきます。

   ものごとは一定の期間、1つのことに集中することでマスターできるものです。ワーク・ライフ・バランスを否定するつもりは全くありませんが、仕事漬けの経験もなく、一人前に鍛えられていない人が主張することでもなかろうと思います。

「ワーク」が充実すると「ライフ」も充実する

   かくいう私も、最初の頃は「会社とプライベートは分けたい派」「就業時間後は会社のことは考えたくない派」でした。しかし、あるとき責任感を持って仕事に向かいだす中で、自分の役割を果たすために勉強しなければならないことに気づき、知識を増やして仕事に活かすことの「面白さ」を知ってしまったのです。

   それからは、休日になると必ず書店に行き、人事・法律関連のコーナーを端から立ち読みして、良さそうな本は買うということが習慣になりました。続けることができたのは、仕事にどっぷり浸かっているうちに、やりがいを感じたからだと思います。

   もちろん、自ら大きな仕事を引き受けるプレッシャーもありました。時間をかけている割りには全く進まず、焦りで逃げたくなることもありました。しかし、苦難を乗り越えてやり遂げた後の満足感、達成感は、また格別なのです。

   そんな風にして仕事の面白さ、充実感を初めて味わったころ、あるとき周囲の「デキる」先輩たちを見て、こんなことに気づきました。

   「仕事にきちんと取り組んでいる人は、休日も楽しんでいる!」

   私の周りの「デキるやつ」は、平日に仕事を頑張って、休日は自分へのご褒美としてストレス発散をかねて大いに遊んでいました。「責任の重い仕事をこなして、高い収入を得て、休日は余暇でリフレッシュし、ときには休みの日も寝食を忘れて勉強をする……」。自分の中で、そんな理想像ができてきました。

   休みの間も仕事のことを考えるのか、休みは余暇に専念するのか。それは人によっても違うし、その人の成長段階によっても異なります。ワークのためにプライベートがすべて犠牲になってしまうのは問題ですが、プライベートの充実のためには、まずはワークの足場を固め、その上で両者のバランスを取って生きていきたいものです。

野崎大輔

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野崎大輔(のざき・だいすけ)
フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。「企業を活性化させるチェンジ・エージェント」を掲げ、東京・四谷で人事コンサルタントとして活動中。野崎人事労務管理事務所代表、特定社会保険労務士。mixiでコミュニティ「できるヤツと思わせる20のコツ」を運営。09年4月からJ-CASTで「ヨソでは言えない社内トラブル」を共同執筆。
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