2019年 11月 13日 (水)

「会社のせいでウツになった!」というクレームが怖い

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   メンタルヘルス関係の患者について、その原因が会社や仕事にあったとして「労働災害」と認められる件数が増えている。これに合わせたように、労災の認定基準が10年ぶりに変更になり、新たに「パワハラ」や「違法行為の強要」などが労災の原因として加えられた。あるメーカーの担当者は「これからどんな労災申請が増えるのか」と恐れている。

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「想定外の労災申請」に戦々恐々

――老舗部品メーカーの人事担当です。当社には、部署や支社ごとに独自の古い慣習が残っています。ある地方支社では、入社2年間は就業時間の1時間前に出社し、すべての机を雑巾がけしてから仕事を始めています。

   このような慣習は、現場の管理職の間では「みんな通ってきた道だ」「会社ではこのくらい我慢すべき」と当然視されています。「女はすぐ辞めるから採用するな」と公言する部長や、昨日行った風俗の話を社内でしゃべっている社員もいます。

   一方で、このような慣習に不快感をあらわにする若い社員も増えており、先日も営業部門の社員から、「部の飲み会で部長から宴会芸を強要された」と通告がありました。

   先日、労災認定の判断基準が見直されたと聞きました。その中には、メンタルヘルス関係の病気の原因となりうる項目として

・研修・会議等の参加を強要された
・大きな説明会や公式の場での発表を強いられた
・複数名で担当していた業務を1人で担当するようになった
などが、新たに設けられたようです。

   しかし、研修への参加命令などは、当社では普通に起こりうることです。これからは「研修を受けてウツになった!」と訴えられたら、即座に労災が認められ、会社の責任が問われるのでしょうか。

   当社はメーカーとして、安全対策は徹底してやってきましたが、それ以外の労災対策は、正直言って手つかずです。想定外の労災申請が来るかもしれないと、戦々恐々としています――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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