オーマイニュースはなぜ挫折したか 「敗軍の将と兵」が語った1万字(上)

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ネットでも韓国と日本の国民性が違う。そこを甘くみていた

平野 3つ目は、国民性の問題。さきほど元木さんが「最初から成功するはずがなかったのではないか」と話していたが、2006年にスタートしたとき、僕はそこまで分析的ではなく、「新しいことだからやってみようじゃないか」ということで飛び込んだ。

   だがその後、本など読むと、ウェブの使い方は国民性が相当はっきりしているのだと知った。フォレスターリサーチというアメリカのリサーチ会社が2007年ぐらいに調べた調査では、(ウェブへの参加度が高い)「クリエイター」というタイプの人が韓国では38%なのに対して、日本では22%。その次のレベルの「クリティーク」という、人が書いたものにコメントしたりレビューしたりする人は、日本が36%で、韓国は27%。(ウェブへの参加度が最も低い)「スペクテイター」という記事を読むだけの人は、日本70%に対して、韓国は39%。これだけ国民性がまったく違う。

   しかしオーマイニュースは、オ・ヨンホが最初にやったのが正しい道だということで、日本のマーケットを全然分析しないまま「韓国モデル」で行き、僕らも素人だからついていった。「これで市民メディアも盛り上がって行くのかな」と思ったが、あまり盛り上がらなかった。

   その後、オ・ヨンホも「日本ではこのやり方では通用しない」と迷っている感じがあったが、そうなったときに「次はこういう方向に行こう」と明確なビジョンを描いて、リソースをさいて突き進むのではなく、試行錯誤で進んでしまった。僕も元木さんも迷いながらいろいろ試していったが、そうこうしている間にお金が尽きてしまった。

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