先日、「働く女性、圧倒的多数が『成功のカギは見た目』」という米国での調査結果がニュースとして流れた。これに対して、ネット上では当然視する意見が並んだが、本当にそう言えるのだろうか。米ロイターの日本語サイト「ロイターco.jp」は2009年10月14日、「働く女性、圧倒的多数が『成功のカギは見た目』」と報じた。記事によると「全体の98%に当たる圧倒的多数が自分のキャリアに見た目が影響したと回答」しているという。「綺麗ごと言ったって見た目は大事」と認めるコメント多数「ある仕事においては否定できない」というコメントもこのニュースはYahoo!ニュースにも配信され、「別に調査しないでも俺のような馬鹿でもわかる」「なんやかんや綺麗ごと言ったって見た目は大事でしょ」「見た目がいいってのは、すばらしい才能だね」など、記事内容を認めるコメントが付いている。大手掲示板においても同様だ。このような見方について、大手企業の社長室長を務める50代の男性は「確かに現状では、ある仕事においては否定できない」とコメントしてくれた。「たとえば女性重役とか、秘書や広報担当は、社外の男性に接する機会が多く、そこでのインパクトを考えると、容姿が暗黙の必要条件となっているといえるかもしれない。ただ、美人だが仕事ができないということでは、かえって会社の評判を落とすことになるので、才色兼備のレベルの高い女性を選ぶということだ」元記事を見た女性「美人じゃないと成功できないとは書いていない」同じ質問を、海外留学経験のある20代の女性に投げかけたところ、ただちに英語版の元記事にあたって「日本語版の訳がまぎらわしい」と指摘してくれた。「元記事にある"professionalappearance"とは、文脈から考えて、仕事をする上での服装を指しているはず。回答した女性エグゼクティブのほとんどが、職業や立場に見合った身なりを整えることが大事と考えているという意味であって、美人じゃないと成功できないとは書いていない」また元記事には、回答者たちが何を着ればよいのか困っており、黒い服ばっかりになってしまうとか、流行を取り込みながら年齢相応の服装をすることが難しいと悩んでいる、と書かれているという。確かに日本語の記事には「見た目」としか書かれておらず、容姿とは書いていない。日本語サイトの「見出し」に釣られてしまったということか。ただし彼女は、元記事に「女性エグゼクティブの5人に1人は、従業員の服装(employeedresses)によって、昇進や昇給をとりやめた経験がある」と書かれていることを指摘し、「アメリカ人が見た目を重視しているのは、結局は本当のようだ」と話している。
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