他人を変えるのに疲れたら「自分」を変えてみよう

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   職場でも私生活でも、人間関係は大きな悩みのひとつです。「あの人は感じが悪くて、一緒に働きにくい」という不満を感じたことのある人も多いでしょう。

   もちろん、その人自身の問題もあり、トラブルになりそうなときには接触をさけることもひとつの知恵ですが、あなた自身が作り出している居心地の悪さもあるかもしれません。周囲の人の納得できない接し方は、あなたの言動に対する印象が映し出されているところもあるのです。

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ストレスの源は「自分の考え方や言動」かも

笑顔やあいさつにはコミュニケーションを促し仕事の成果を上げる効果がある
笑顔やあいさつにはコミュニケーションを促し仕事の成果を上げる効果がある

   それでは職場のストレスについて、いくつか例を挙げて検証してみましょう。

「部下が相談もせずに勝手なことばかりする」

   部下がこまめに報告や連絡をしてこない場合、それは部下が怠けているのではなく、あなたが話しかけにくい雰囲気を醸し出していることが原因かもしれません。

   いつも難しい顔をして「忙しい、忙しい」と言っている上司には部下は話しかけにくく、できるだけ接点を持ちたくないという気持ちが起こってしまいます。

   その結果、部下との意思疎通が十分に図れず、ストレスを感じますが、原因は上司自身にあるわけです。仕事に集中して、つい怖い顔になっていませんか? 顔の筋肉にギュッと力を入れて一気に力を抜くと、表情が穏やかになりますので試してみてください。また、ときどき部下に明るく話しかけて、モノを言いやすい機会を作りましょう。

「うちの職場は全然仕事を教えてくれない」

   人は自分の意見や考えを「聞いてもらえた」「受け止めてもらえた」という感覚を非常に好み、そのような感覚がないと無力感や無気力感がもたらされてしまいます。

   同僚や先輩から仕事について、意見やアドバイスをもらったとき、自分の考えにこだわりすぎたり、責められたと感じたりして、「でも・・・」「いえ、それはですね・・・」と口にしていないでしょうか。

   いつもそういう反応をしていると、相手はアドバイスする気が失せてしまいます。まずは、「はい」「なるほど」「ありがとうございます」という肯定的な反応を示した上で、気になる点を確認したり、自分の意見を提案したりしてみましょう。

人は自分自身の行動しか改められない

   同僚や部下が自分にあいさつしないことに対し、いらだちを感じることはないでしょうか。

「あいつは、ろくにあいさつもしない」

   人が集まる場では、相手の存在を認め合う意味で、目下のものからあいさつを交わすことは社会的なマナーであり、常識ともいえます。

   しかし、そういうマナーを身につける機会のなかった人は、「あいさつをされれば返す」としか考えていないのかもしれません。「あいつの方からすべき」とこだわり、黙ってイライラしているよりも、自分からあいさつをしかけてみる方が健康的です。

   あいさつは習慣ですから、毎朝され続けていると、相手も返事をしてくるようになります。それでも返す様子がなければ、そういう人だと割り切りましょう。あいさつのある職場は、会話も自然と増えてコミュニケーションがよくなり、雰囲気も明るくなるので、私はぜひあいさつを増やした方がよいと思います。


   人は、自分自身が変わることに関しては、今までの自分を全て否定するかのように感じ、抵抗感を覚えます。しかし残念ながら、人は自分自身の行動しか改めることができませんし、「変わろう」と本気で本人が思わない限りは変われません。

   自分自身の行動を見つめ直し、改めてみることで、周囲の人の対応や職場の雰囲気も自然と変わるものです。人間関係で問題を感じた時、他人を責め、他人の行動を改めさせることに壁を感じたら、自分の見方や考え方を変えてみることでストレスが和らぎます。


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今回の筆者:羽岡 健史(はおか・たけし) 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 産業精神医学・宇宙医学グループ所属。日本医師会認定産業医。メンタルヘルス不全者の職場復帰プログラムの開発とスポーツ精神医学が研究テーマ。浦和神経サナトリウムで精神科医として勤務するかたわら、茨城県庁とニチアスで産業医を務める。

筑波大学大学院・松崎一葉研究室
高度知的産業に従事する労働者のメンタルヘルスに関する研究を行い、その成果を広く社会還元することを目指している。正式名称は筑波大学大学院人間総合科学研究科 産業精神医学・宇宙医学グループ。グループ長は松崎一葉教授(写真)。患者さんを治療する臨床医学的な視点だけではなく、未然に予防する方策を社会に提案し続けている。特種な過酷条件下で働く宇宙飛行士の精神心理面での支援も行っている。松崎教授の近著に『会社で心を病むということ』(東洋経済新報社)、『もし部下がうつになったら』(ディスカバー携書)。
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