2024年 4月 18日 (木)

パリで引ったくりが増えている理由

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   外資の航空会社で客室乗務員として働く40代のA子さん。家族は東京、実家は関西、月の3分の1から半分ぐらいを海外で過ごすこともあり、インターネットの利用を欠かすことはできません。

「おまけに3年前から友人と飲食店の経営を始めたので、とにかく連絡が多い。Eメールやショートメールを打っている間に電話がかかってきて、それに応答している間に次のメールが来ているとか(笑)。それで5~6年ぐらい前から2個持ちで、一時は3個持ちまで考えましたが、結局、ケータイとスマホの2個持ちに落ち着いています」

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防御策「街中ではiPhone使わない」

   スマートフォンはウェブメールやSNS、ブログといったブラウジングが主なので、最低限のアプリしか入っていません。

「いま、一番使っているのはスカイプ。ちょっとしたことならチャットで、込み入ったことは通話でできるし、料金を気にしなくていいので海外に居ても安心なんです。店のことは、クローズドにしてあるSNSでも連絡をしあってますね」

   A子さんの海外での拠点になっているパリでは、Wi-Fiがかなり整備されているそうで、日本にいるよりスマートフォンの使い勝手がいいのだとか。

「だから、iPhoneをはじめとしたスマホを使っている人、多いですよ。見た目だけで言えば、6割か7割ぐらいかしら。片手に持って歩いている人もいるし、地下鉄でもメールを打っているのか、画面を操作している人が目につきますね」

   ゆえに、スマートフォンのスリやひったくりも急増しているそうです。なにしろ、去年1年間だけでスリや引ったくりを含む強盗が4割も増え、その増えたほとんどがスマートフォンの被害だとフランスのメディアが報じたほど。

「狙われるのは、人気があるからiPhoneが圧倒的に多い。私もiPhoneですけど、ジーンズなどパンツのポケットには絶対に入れないし、スカイプでiPhoneに電話がかかってきても街中では出ません。街にいて仕方なく使う時は、必ずカフェなどショップの店内や公共施設の中に入ります」

   パリでは使い勝手は良いが盗られる危険があり、日本では盗られたりはしないが繋がらないなど使い勝手が悪い――。A子さんによるiPhone評です。

「あんまりiPhoneばかり使っているので、日本でケータイを使おうとしたら、使い方を忘れていることもありますね。ケータイは、ほぼ日本にいる時の通話専用です。子どもがいないので、ダンナか親ぐらいしかかけてきませんけど(笑)」

   それでも、たまに昔の同級生が「番号を聞いた」とかけてきたりするので、ケータイも持ち続けているのだそうです。


井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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