2024年 4月 19日 (金)

リハビリ勤務中の社員に「労働条件の不利益変更」どう説明する?

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   労働政策研究・研修機構の調査によると、メンタルヘルスに問題を抱えている社員がいると答えた大手企業(従業員1000人以上)は72.6%にのぼるという。メンタルヘルス不調者が陥るパターンで最も多いのは「長期にわたって休職または休職・復職を繰り返す」と答えた会社も11.1%あったそうだ。

   ある中堅企業では、復職したものの元のようなペースで仕事ができない社員が現れたため、リスク回避のために会社のルールを厳しく変えようとしている。しかし、「目の前で苦しんでいる社員」にどう適用すべきか、悩んでいるという。

「新ルールを適用して直ちに退職」と言えるのか

――ソフトウェア開発会社の人事です。相変わらずメンタルヘルス不全で休職する社員が跡を絶ちません。数はだいぶ減ったのですが、やはり一定数は出てしまいます。

   休職者の中には職場復帰を無事果たした社員もいますが、復職をあきらめて退職した人や、復職したものの元のような仕事ができないままの社員もいます。

   入社7年目のA君は、復職して1年半ほど経ちますが、いまだに補助事務、残業ナシの「リハビリ勤務」のままです。病気になる前は部門のエースと評されていましたが、いまはその面影もなく、仕事らしい仕事をしていないと言ってもいいかもしれません。

   そんなA君を、周囲はおおむね温かい目で見守っていますが、

「仕事できないしわ寄せが他の部員に行ってるんだよね」
「再休職させた方がいいんじゃないの?」

という声も聞かれます。

   いまのところ、リハビリ勤務に関するルールはありません。本格復帰が長引いたのはA君が初めてですが、今後のリスクを考えると、できることなら就業規則の休職規定を見直し、リハビリ勤務についても期限を設けたいと思っています。

   そこで問題となるのが、A君の扱い。これからのルールは社員の同意を得ればよいのですが、A君には言いにくいです。トラブルを避けるためには、どういう説明があるでしょうか。また、仮に期限を1年とした場合、それを超過しているA君に「もう期限をだいぶ過ぎちゃってるから退職でお願いね」といえるものなのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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