昭和のサラリーマンたちは「ネクタイアル中」だったのか?
2012.03.21 17:00
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「おとなしい人も饒舌になり、翌朝には覚えていない」
仙台市の宮千代加藤内科医院のホームページによれば、ネクタイアル中とは「のべつ酒を飲んでいて、仕事をせず、乱暴を振るう人」とは違い、「仕事はしていて、外見的に生活破綻をきたしているようには見えない」タイプのアルコール依存症を指すという。
都内に勤務する40代の会社員は、20年前のオフィスには「ネクタイアル中」と呼ぶにふさわしいサラリーマンが、上司や先輩にたくさんいたという。
「僕が新人で配属された営業グループには、昭和の昔から行きつけの居酒屋があって、メンバーはとにかく毎日飲みに行く。部長や課長も、夕方になるとソワソワしだして、終業前に『先に行ってるぞ!』と言い残して明るいうちから飲んでいることもあった」
店にはメンバーの名簿があり、来店すると日ごとに丸をつけるようになっている。飲み代はすべてツケで、月の終わりに集金して店にまとめて払いに行くのは、新人の大事な仕事だったという。
「あのころはまだクールビズとかなくて、夏でもみんなネクタイ締めてました。背広に大手企業のバッチをつけて、毎日閉店まで飲む。仕事中はおとなしい人も飲み出したら饒舌になって、大ゲンカになっても翌朝は覚えていない。あれはまさに『ネクタイアル中』だったんじゃないですかね」