2020年 9月 22日 (火)

「こんな世の中では夢を持てない」という若者への疑問

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   これまで書いてきたことについて、ネットユーザーに肉声で話をして欲しいと言われて、ニコ生×J-CAST「今の若者は本当に『不運』なのか」(2012年2月23日)という生放送に出演した。

   1時間あまりの間に、1万9000人近くの方に視聴いただいた。放送最後のアンケートでは、私の考えに「反対」「どちらかというと反対」という人が52.7%で過半数だったが、番組への評価は「とても良かった」「まあまあ良かった」が65.1%だったということは、楽しんでいただけた視聴者も多かったのだと思う。

   2万件を超えるコメントには厳しい内容も多かったが、関心を持っていただけることはありがたい。現在でも会員はタイムシフト視聴できるようなので、ぜひご覧いただきたい。

歴史的、国際的な比較でモノを見ることも必要

「ニコニコ生放送」に出演。司会は小口絵理子さん
「ニコニコ生放送」に出演。司会は小口絵理子さん

   放送中のコメントで目についたのは、「われわれ若者世代は恵まれていない」「昔は貧乏だったが、夢や希望があった」といった旨の書き込みだった。

   さまざまなものが不足する状態で、それを満たそうとしている間の方が幸せであり、満たされてしまえば不幸になるというのも、考えてみればおかしな話だ。しかし人の心理は、そういう「錯覚」をもたらすのだろう。

   繰り返しになるが、いま映画になって美化されている昭和30~40年代の日本では、多くの人たちはいまよりもずっと貧しく、ひどい生活をしている人も少なくなかった(もちろん終戦前後よりはよかっただろうが)。誰もが「今よりいい生活がしたい」と思っていた。このことは、歴史的事実として踏まえておいた方がいい。

   また、欧米の若年者失業率との比較が示されたときも、「スペインと比べてどうする」「いまの日本で恵まれていないと感じている。他国のことを言ってもしようがない」というコメントも見られた。これもおかしな話だと思う。

   そもそも、恵まれているかどうかというのは、比較の問題でしかない。よりよい環境を求めて努力するのならまだしも、与えられた環境に不平を漏らし、他人をうらやむ場合には、歴史的、国際的な比較を踏まえることは、最低限の知的な態度として必要だ。

   歴史からも学ばず、他国の状況を中途半端にしか知らないことが、自分たちを必要以上に「不幸」「不運」と思わせている可能性もある。きちんとした情報を踏まえ、自分たちの置かれた状況を客観的に評価していただきたい。

小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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