2018年 12月 12日 (水)

生身のジョブズがiPhoneのプレゼンを行った理由――勝ち残るリアル営業(5)

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   「勝ち残るリアル営業」も、「予備情報」「カットイン」「ヒアリング」とステップは進んで、いよいよ「プレゼンテーション」(お客さまへの提案)の段階に移ります。プレゼンもまた、ネット営業との差をつける格好のステージです。

   プレゼンの達人といえば、亡きスティーブ・ジョブズ。彼のプレゼンはネットやデジタル技術を駆使した世界のように思われがちですが、実はそうでありません。彼が生み出したiPodやiPhone、iPadは確かに技術の粋を集めたものですが、それをより素晴らしいモノに見せ消費者に「こんな機器が欲しかった」と思わせたのは、人間ジョブズのアナログな話力であったのです。

「説明」に終始しない「対話」がポイント

「対話」の機会を「説明」に使えばもったいない
「対話」の機会を「説明」に使えばもったいない

   製品の取扱説明書すらネット上に置いたジョブズが、なぜリアルなプレゼンにこだわったのか。ネット上の表現力で、彼が創り出した機器の先進性や利便性を魅力的に人々に伝えることができたのなら、彼は新製品のプレゼンをする必要はありません。

   しかし、ネット上でいかにIT技術を駆使した商品リリースをしても、「消費者の購買意欲を十分には動かせない」、そう思ったからこそ人間ジョブズによるリアルでアナログなプレゼンテーションを重視し、それが多くの消費者の購買意欲を掻き立てる努力をしたに違いないのです。

   ネット上のプレゼン表現が不十分な理由はなぜか。それはどうしても説明に終始せざるを得ないからです。相手の反応を見ながら話しかけるという、リアル特有の対話がネット上では実現不可能なのです。リアルのコミュニケーションの強みを活かす対話的プレゼンテーションこそ、「生き残るリアル営業」が実践すべきことであるとお分かりいただけると思います。

   では、対話的プレゼンとは具体的にはどういうことでしょうか。何よりプレゼンが「説明」に終始していないこと、これに尽きるでしょう。予備情報を仕入れ、ヒアリングを重視してせっかくここまできたのに、プレゼンの段階になっていきなり「対話」から「説明」に転換してしまう、そんなもったいない営業マンが世にたくさん存在します。

   自分が実行しようとしているプレゼンが「説明」に終始していないかは、そのプレゼンが無人のネット上で再現できるものであるか否かで判断するのもひとつの方法です。再現可能なら、それは説明的すぎるのであり、必ずしも効果的な対話的プレゼンになってないということになります。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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