2024年 4月 26日 (金)

公務員人件費2割カットを公約した人たちが「国民からの採用枠半分にしといたから、これでチャラな」というのはどう考えてもおかしい件

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政府は「もっとも頭を使わない選択肢」に逃げた

   それは確かにその通りで、日本の現状では組織の都合によってバンバン首を切る整理解雇には厳しい制限が加えられている(官については法改正して身分保障をなくせば可能かもしれないが、民とのバランスの問題から突出はできないはず)。

   でも、だからこそ、率先して政治にリーダーシップを示してほしかった。

   筆者は一律の賃下げには常に反対だ。一律カットではダメな人はダメな状態に安住し、優秀者はモチベーションを失うだけだからだ。

   公務員といってもキャリア官僚や専門的職業は賃上げすべきだし、不要な仕事とそうでない仕事をきっちり分別した上で、業務プロセス自体の見直しをすべきだ。そしてそれは、民間にとっても今一番必要な処方箋でもある。

   そういった処方箋から目をそむけつつ、一律の賃下げ+新卒採用半減に走った点は、「もっとも頭を使わない選択肢」に逃げたと言われても仕方ないだろう。

   民主党は確かに「公務員人件費2割カット」というマニフェストを形式的には守れたかもしれないが、一方でより大きなものを失ったことを理解すべきだ。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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