2020年 9月 29日 (火)

「残業したら罰金!部の飲み代に充当」って大丈夫?

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   サービス残業を根絶するためには、残業代をすべて支払う必要がある。しかしこれを徹底すると、仕事の遅い人ほど収入が多くなるという矛盾が明らかになってしまう。時短は労働者にとって必ずしもメリットにならなくなるのだ。

   ある職場では、仕事の遅い人に対して、残業時間に応じて罰金を支払わせる方法を取っていたが、それを聞いた社長が「全社的に取り組めないか」と面白がっているという。

「残業代はすべて支払っているから問題なかろう」

――流通サービス業の人事です。当社では現在、コストダウンとコンプライアンス、ワークライフバランスを同時に実現するために、「サービス残業の根絶」を打ち出しています。

   以前にも増して労働時間の管理を徹底しつつ、発生した残業時間に対する手当は漏れなく支払うようにしています。

   さらに各部署では、予算を達成しながら労働時間を減らすよう、さまざまな工夫を行なっています。先日、全社の管理職会議で、社長が「残業代をもっと減らす方法はないか」と出席者に問いかけたところ、ある部長が、

「うちの部では残業1時間につき、社員に100円の罰金を払わせてます。それを半期に一度集めて、部の飲み会費用にあててるんです」

と発言しました。これを聞いた出席者たちは騒然となり、社長は「バカヤロウ!」と怒る…かと思いきや、

「面白い。名案じゃないか(笑)。残業手当は支払ってるんだから、そのくらい問題ないだろう。全社的にできないか、人事で検討してくれ」

と予想外の指示を受けてしまいました。

   ただ、懲戒処分の手続きもなく社員から罰金を徴収するなんて、感覚的にはありえないのですが、こんなこと、法的に許されるんでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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