2024年 4月 25日 (木)

「そんな就業規則、知りませんよ!」は通用するのか?

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   自社の就業規則を見たことがない――。そんな人は、結構多いのではないか。法律は「知らなかった」では済まされないが、就業規則は「知らされていなかった」で効力が変わってくる。

   ある会社では、社用パソコンの私的利用に対して注意を受けたが、新入社員が「そんな規則は知らない」と課長に反論している。

「始末書? 納得できませんね」

――保険代理店の総務人事です。当社では業務専念と機密保護のため、会社のパソコンを使った業務に関係のないウェブサイト閲覧や、私用メールの送受信を禁止しています。

   2年前に就業規則を次のように改正し、すでに社員のネット検索履歴を監視し始めています。

「第22条 会社に属するコンピュータ、電話、携帯電話の使用について
(1)電話、FAX、インターネット、電子メールを無断で私的使用してはならない。
(2)会社は従業員のインターネット、電子メール、携帯電話等の利用状況等を従業員の承諾なく、必要に応じて調べることができる。」

   違反が多い社員には上司を通じて注意を促し、著しい場合には始末書を出させようと思います。今月は営業部の新入社員A君が対象になったので、課長に連絡したところ、こう反論されたのだそうです。

「えー、人のメールを勝手に見たんですか!? 信じられないっすよ…。就業規則に書いてあると言っても、僕は見たことないですし。始末書? 納得できませんね」

   そこで課長は「就業規則って、どこに行けば見られるんだっけ?」と尋ねてきました。確かに人事のフロアにはありますが、営業のフロアには置いてありません。

   A君は「初犯」なので、処分を見送るのはいいとしても、「知らない」では済まされないと思うのですが。こういうとき、どういう指導をすればいいのでしょうか―

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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