2019年 11月 23日 (土)

メンタル休職者続出のウラに「健康マニア」の支店長の影

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   メンタルヘルスに対する理解度のない管理職は、ここ数年で急速に減った。そのこと自体は歓迎すべきことだが、中には勉強にはまってしまって、専門家でもないのに知ったかぶりをしてしまう人もいる。

   ある会社では、特定の支店から休職や退職が相次いだので調べてみたところ、健康マニアの支店長が素人判断で部下に通院などを勧めていることが判明したという。

チェックリスト見せ「少し休んだ方がいい」連発

――専門商社の人事です。昨年あたりから名古屋支店で、病気による休職や退職が相次いでいます。若い社員が多かったことから、「最近の人はホントに脆くなったなあ」と思っていたのですが、理由はそれだけではありませんでした。

   名古屋の中堅社員によると、原因のひとつは支店長にあったようです。とはいえ彼がパワハラをしているのではなく、むしろ社員の心身を気遣っています。

   もともと健康マニアだった支店長は、名古屋への単身赴任を機に、うつ病や自律神経失調症について調べて詳しくなったようです。そして、元気がなかったり体調が悪そうな部下をつかまえては面談をしています。

   チェックリストを見せて「当てはまることはないか?」と尋ね、よく眠れないことがあるなどというと「明日休んで病院に行って来い」と言うそうです。

   「抑うつ状態」や「睡眠障害」の傾向があるのでは、と医師に言われたと話すと、「そうだろう。少し休んだ方がいいな」と休職の手続きを勧められます。ときには、

「無理すると悪化する可能性もある。今の仕事は向いていないんじゃないか」

と暗に退職をうながすことも。これでは休職や退職が増えるのも当然ですし、「少し疲れているだけなのに勝手に辞めろなんて」と憤る人もいるようです。

   パワハラであれば指導や処分のしようもあるのですが、こういうときはどのような手を打ったらいいのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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