2020年 7月 13日 (月)

テレ朝ドラマ「ドクターX」がうけるワケ

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毎日酷使する現代人の目にビルベリー由来アントシアニン!

   テレビ朝日でオンエアされている木曜ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」がなかなか面白い。視聴率も18%前後と同時期ドラマの中では首位をキープしているから、視聴者にも響いているのだろう。

   ただ、内容的には、病院内部での人間模様を描いたもので「白い巨塔」以来の伝統的なスタイルと言っていい。むしろ裏番組の「レジデント 5人の研修医」(TBS)の方がアングルとしては斬新なようにも見える。そんな中、「ドクターX」が視聴者に響いている理由とは何だろうか。

主人公はカバン持ちを拒否する「非正規雇用の女医」

   実は本ドラマには、もう一つ重要なアングルが隠されている。それは「雇用」だ。主人公の女医は大学病院の正規職員ではなく、実はフリーの非正規雇用だ。彼女は非常にドライで、契約時に交わした職務定義書に書かれている仕事以外はやろうとしない。

   院長のカバン持ちや学生の指導、その他雑務等、正規職員である医師であれば普通は行うであろう業務も一切拒否する。もちろん、残業も(原則として)受け付けない。それでいて手術の腕は一流であり、病院側からも頼りにされている。

   当然、終身雇用のメンバーである医師たちは面白いはずがなく、さまざまな軋轢を引き起こすことになる。要するに、専門性のある職務給ベースの人材と、終身雇用身分に属する人材という隠れた対立軸が根底にあるわけだ。

   おそらく、脚本家も意識しているのだろう。「フリーターの癖に生意気だ」的なセリフが随所にちりばめられている。

   終身雇用制度がほころびる中、正規メンバーとアウトサイダーの対立構図はどこの職場でも大なり小なり目にするものだ。「ドクターX」が視聴者に響いた背景には、そういった事情があると思われる。

   ところで、アナウンサー職の流動化を見ても分かる通り、まず優秀層から離職し始めるのは、労働市場流動化の正しいステップだ。筆者は、この流れが一般のサラリーマンにも徐々に広がっていくとみている。と書くと「非正規雇用なんて使い捨てられるだけだろう」と身構える人がいそうだが、そう考えるのは早計だ。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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