2019年 11月 18日 (月)

「定年廃止」で社長はご満悦 でも若手社員は大反対!

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   今春の新入社員(新卒正社員)へのアンケートによると、今の会社で「定年まで働きたい」と答えた人が34.3%と過去最高になったという。就職氷河期で入社に苦労した分、安定した雇用を求めたい気持ちがあるのだろう。

   とはいえ、「定年をなくして一生働ける」という制度には、すべての社員が歓迎するわけではないようだ。ある会社で社長が「定年廃止」を提案したところ、意外にも反対の声が少なくなかったという。

「早くポスト空けてくれないとやる気出ない」

――製造業の人事です。最近、若手社員の離職率が高くなり、人材がなかなか定着しません。定年退職による自然減と合わせて、社員の減少傾向が続いています。

   中途採用を通年で行うようにしましたが、間に合いません。そこで社長が、やる気や能力のある人には定年後も引き続き働いてもらうことを提案しました。

「だいたい若いもんは仕事そっちのけで、プライベートにばかり頭が行っている。その点、ベテラン社員は仕事に集中してくれるし、年季を経て熟練する部分もある。いっそのこと60歳定年制を廃止しちゃうのはどうだろう。年金の支給年齢も上がっていることだし」

   そこで役員や管理職、社員にヒアリングを行いました。社員の中には「まさに終身雇用だ」「これで安心して働ける」と歓迎する声もありましたが、30~40代の社員たちから意外な反対の声があがりました。

「勤続年数が長いから仕事ができるというわけでもない。絶対反対です」
「定年がないと組織の新陳代謝が悪くなる。早くポストを空けてもらわないと、我々だってやる気が起きませんよ!」

   とはいえ、今後は生産年齢人口が減るのは確かだし、高齢者が元気なうちは世の中のために働くこと自体は悪いことではないと思うのですが。ここは多少強引でも、会社の方針をトップダウンで展開していいのものでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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