2019年 11月 15日 (金)

先送りはもうやめよう 失敗の上にしか大きな成功はない

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   日本人は先送りが大好きです。何か問題が起きても、それを自ら解決する方法になかなか手を着けません。「慎重かつ公平な判断をするには時間を要する」とか言いながら、いつまでも決断をしないでいることが多いです。

   問題を指摘すると誰かの責任を問うことになるし、解決策を講じると誰かにしわ寄せがいくからでしょう。解決を先導して他人の恨みを買い、居心地が悪くなるくらいなら「時が解決するのを待つ」というわけです。

減点主義で出世してきた役員に「決断」は難しい

   先送りされた問題は、本当に解決するわけではありません。手が着けられなくなるくらい拡大して別レベルの問題になってしまったり、「神風」が吹いて興味関心が別の問題に移ってしまったりするだけです。

   文具メーカーで商品開発を担当するSさんは、競合他社が自社の人気商品を発売するという情報を得ました。そこで対抗策をマーケティング部と検討し、「まとめて買えばお得になるセットサービス」を役員会に提案することにしました。

   しかし役員会の検討結果は、「儲かっている商品の収益をみすみす下げる必要もない」というもの。慎重派によって「来月の会議で再び議題とする」という、判断を先送りする結論になったのです。

   その直後、競合商品の発売が発表されたとき、社内は大騒ぎになりました。

「十分予想されたことなのに、対抗策が遅すぎる。反対したのは誰だ?」
「いや、やるなとは言っていない。犯人探しは止めるべきだ」

   急きょ招集された会議で、出席者からお互いに責任を押し付ける発言が相次ぐのを目の当たりにし、Sさんはすっかり幻滅してしまいました。最も不満なのは、提案に賛成者がいなかったことではなく、「反対したのは自分だ」と責任を引き受ける人がいなかったこと。

   新しい施策を打つときには、リスクがつきもの。決断には、常に損失の可能性がついて回ります。しかし日本の組織は減点主義で、いちどの失敗が命取りになる。それをよく知る役員たちは、揚げ足を取られないことには長けているのです。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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