2020年 10月 25日 (日)

外資系企業の「金銭解雇」は、日本の若者にもいいことだらけ

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「女性のキャリア」も開かれやすくなる

   日本のサラリーマンがクビを恐れているのは、再就職先を見つけにくいためだ。しかし逆説的だが、再就職先を見つけやすくするためには、労働市場を活性化させる必要があり、そのためには会社都合で人員調整をしやすくするのが早道となる。

   ブラック企業、追い出し部屋、窓際族…。こういったものは、労働市場に流動性がないために生まれたものだと思う。終身雇用制度により転職が非常に困難であるために、会社は「社員はどうせ辞めない」とたかをくくり、従業員を蹂躙する。

   一方、従業員は会社にしがみつくしかないので会社の言いなりになるしかない。しかし雇用に流動性があれば、ひどい企業ならやめれば良いし、会社も無駄に人に給料を払い続ける必要がなくなる。

   新卒時にどこに勤めるかはさほど重要ではなくなるので、「学歴信仰」も是正される。実際、外資系には二流三流と呼ばれる大学を出て、小さな会社からスタートし、腕一本で超一流の投資銀行の幹部にのしあがった、などといった例はいくらもある。キャリアの中断もハンディにならないので、女性のキャリアの道も開かれやすい。

   各人の「市場価値」がより公正に評価されるようになるので、「勤務年数が長ければ無能でも給料が高い」などという非合理な慣習が入る余地はなくなる。日本を代表する大企業に勤め今までは勝ち組とされてきたが、会社の外で役立つスキルが身についていない人は、リストラと同時に悲惨な運命が待っている。こういう人には「外資系的雇用システム」は厳しいかもしれない。

   しかし、このコラムの多くの読者のように若くて意識の高い皆さんにとっては、プラスの面が多いと思う。頑張れば頑張るだけのリターンが得られるし、嫌ならまた転職すれば良い。いかがだろうか?(小田切尚登)

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小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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