痴漢で逮捕の社員が「否認」 それでも解雇できるのか?
2013.04.18 17:55
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「会社はこういうときこそ味方になって欲しい」
実際、最近でも痴漢行為を理由に懲戒免職処分を受けたのは不当として、元高校教諭の男性が処分取り消しを求めた裁判で、高裁が請求を認める判決を言い渡している。「計画的ではなく、着衣の上から一瞬触る程度で、執拗ではなかった」などの理由から「処分は重すぎる」としたのだ。
とはいえ、営利企業が逮捕された社員を抱えておくことは、デメリットしかない。企業イメージ的にもいいことはなさそうだ。しかし刈谷弁護士は、あえて社員の立場から助け舟を出している。
「企業の言い分も分かりますが、痴漢事件で逮捕された人は、味方がおらず本当に孤立無援になってしまうのです。企業はこういうときこそ味方になってあげて欲しいと思います。トカゲのしっぽ切りではいけないと思うんですよね」
ひとことで「痴漢」と言っても、行為の内容や状況、背景などさまざまな事情がある。それでも単純に「痴漢は痴漢だ!」と何でも厳罰に処すればいいという言い分は、容疑者を弁護する立場からは受け入れられないようだ。