2020年 11月 26日 (木)

「日本人は器用で、職人技は真似できない」は本当なのか

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   「日本人は器用で、繊細で、職人技は真似できない」とよく言われます。何ミクロンという単位で物を削ったりする凄腕の熟練工が、「これぞ日本の技術」とテレビで紹介されている様子を見たことがあるのではないでしょうか。

   しかし、それは本当に日本人しかできないことなのでしょうか。先日、ベトナムである工場の話を聞きました。なんの工場かというと、和服を作っているのだといいます。日本の呉服屋から生地と寸法を送ってもらって、和服に仕立てる。ベトナムにはこうした工場がいくつか集積している場所があるのです。

手先の器用な外国人でも和裁の技術を習得できる

「和服=日本国内仕立て」はすでに思い込みにすぎない時代になっている
「和服=日本国内仕立て」はすでに思い込みにすぎない時代になっている

   昨今は日本で呉服屋に仕立てを頼むと、良心的な店は「国内仕立てか、海外仕立てのどちらか」を聞くそうです。

   海外仕立てを選ぶと、注文がベトナムに送られます。ちなみに良心的でなければ「和服=国内仕立て」という思い込みをもとに、なにも言わずにベトナムに送られ、通常の仕立て料を取った呉服屋の儲けは大きくなります。

   ベトナムのその工場では、月に1000枚以上の和服が仕立てられます。仕立ての原価も聞きましたが、驚くほど安い金額でした。国内の仕立て代金と比べると、10分の1から20分の1といったところでしょうか。

「和裁は日本人の伝統の技術、日本人しかできない職人芸」

   そう考えている人にとっては衝撃の事実でしょう。伝統の技が海外に盗まれた、と思う人もいるかもしれません。しかし、それは日本人だけができるものではなく、ベトナム人にも教えればできるようになるものだったということ。ただ、いままで教える人が誰もいなかっただけです。学べばできるようになる。訓練すればできるようになる。

   その工場では、日本人の和裁の先生が技術を指導していて、手先の器用なベトナム人はものすごいスピードで和裁の技術を習得していくのだといいます。和裁ができれば普通の服よりも高い賃金を得られるので、彼らは積極的に学び、技術も向上します。

   冒頭の、ミクロン単位での調整みたいな熟練工の技術もどうでしょうか。そのような加工の需要が海外であるかはわかりませんが、教えてみればきっとベトナム人にもできるようになると思います。

「日本人は器用で、職人技は(外国人に)真似できない」と思いますか?
やはり日本人しかできない領域はある
たいがいの外国人でもやればできる
一部の外国人ならできるかもしれない
大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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