2024年 4月 26日 (金)

サラリーマンが読む「フジ三太郎」入門(5)
「共感」と「郷愁」が交錯 昭和後期の「日本人の自画像」描く

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昭和後期の貴重な映像記録

   近年、歴史学では人々の生活文化も重視され、文献資料だけでなく映像資料も広く利用されるようになっているそうです。たとえば日本の中世史では、絵巻物についての研究が盛んです。その時代の人々の生々しい姿が描かれているからです。子細に眺めていると、登場人物の身なりや表情、しぐさも多彩で、まるでタイムスリップしたかのように当時の暮らしぶりや人々の感情が甦ってきます。

「学校の課題研究の題材にします。絵が分かりやすく、みんなに日本のことをもっと知ってもらえそうだから」

   早くも海外にいる日本人高校生から、そんな声が届いています。東南アジアの大学で日本文化を教える先生からは、「お色気系もありますが、サラリーマンの悲哀系や、社会風刺系もありますので、授業で使えるかもしれません」というメールをいただきました。

   「フジ三太郎」はデジタル化され、世界のだれもが簡単に作品を見ることができるようになりました。今後は国内外で昭和後期の日本研究の極めて興味深い資料にもなることでしょう。その主役は三太郎と仲間たち――。それはまた、同じ時代を生きた平凡なサラリーマンや同僚、その家族であり、私たちです。(了)

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