2024年 4月 25日 (木)

自分で描いた絵を裏返したり、鏡に映してみたりするメリット

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モノの見方を変えると「面白いアイデア」が出てくる

   デザイナーやアニメーターはいつもトレス台という透写台を使って何枚かのラフを重ねて、下にある絵を透かして統合してデザインを仕上げます。しかし、最後にデザイナーはよく自分の絵を裏かえします。裏から見てもバランスに違和感がないかを確認するのです。

「仕上げの人は裏から絵の具を塗るから、変な絵を描くとすぐわかっちゃうから恥ずかしいんだよね」

   知り合いのキャラクターデザイナーは、セル時代によく言っていました。念には念を入れて、グリッド線を引いたガイド板を使って、正確に上下左右のバランスもチェックするデザイナーもいました。

   このように、右と左、表と裏。両方から観察するのは絵を整えるためでもあるのですが、実は「おまけ」がついてきます。裏からみると、新しい「デザイン」が発見できるのです。

   「絵を描くということは、ものの見方を覚えることだ」。ベティ・エドワーズの『脳の右側で描け』という本にも書かれていますが、鏡に映したり、描いた絵を裏から見るとき、「なにか別の新しいもの」という認識が生まれるわけです。

   これは絵だけではなくアイデア全般にいえることだと思います。新しい企画を考えるとき、裏から見てみると意外と「面白いアイデア」が出てくるかも知れませんね。(数井浩子)

数井浩子(かずい・ひろこ)
アニメーター、演出家。『忍たま乱太郎』『ポケットモンスター』『らんま1/2』『ケロロ軍曹』をはじめ200作品以上のアニメの作画・演出・脚本などに携わる。『ふしぎ星の☆ふたご姫』ではキャラクターデザインを担当した。仕事のかたわら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程に在籍。専門は認知心理学
ベティ・エドワーズ:決定版 脳の右側で描け[第4版]
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  • 発売元: 河出書房新社
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