「セカ就」するのって、どんな人? 「海外リア充」の若者の場合

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   「海外で働きたい!」という若者で多いのが、学生時代に海外でボランティアやインターンなどに携わり、現地の人との交流の中で魅力的な何かを見つけた人です。いわゆる「海外リア充」(海外でのリアルな生活が充実していた人)です。

   「若者の海外離れ」なんてことをいう人もいますが、実際は二極化していて、社会人になってもパスポートを持っていない人から、学生時代に休学して海外でマングローブを植林したり現地で小学校をつくる手伝いをする人まで、千差万別になっています。

「こんなはずじゃなかった」と思うことは多いけど

同じインドで出会った光景。「写真撮ってくれるの!?嬉しい!」(左)、「写真撮らせてやるからお金ちょうだい!」(右)
同じインドで出会った光景。「写真撮ってくれるの!?嬉しい!」(左)、「写真撮らせてやるからお金ちょうだい!」(右)

   海外で現地の人たちと共に活動し、一緒に流した汗や子どもたちのキラキラした笑顔を体感した人にとって、その国とその時間は、一生忘れることのできないかけがえのない思い出になります。

   その思い出を胸に日本で就活し、日本企業に就職すると、思いもよらなかった世界が待っています。理不尽で非効率なルール。馬鹿げた顧客からの要求。狂ったような長時間労働。

   エントリーシートを手書きで求められ、消えるボールペンで書くと怒られるような就活の時から薄々感じていた、「苦労することが善」のようなしょうもない価値観。シンプルにいいことをしてストレートに喜ばれていたあの国とは、全く異質のものに感じられます。

   こんなはずじゃなかった。こんな事をするために就職したんじゃない――。そんな気持ちが、彼の目を再び海外に向かわせます。

   しかし、彼のような人が「セカ就」(世界就職)しても、必ずしも理想とする働き方に巡り会えるとは限りません。むしろ再び「こんなはずじゃなかった」と思う可能性の方が高いかも知れません。

   そもそもアジアで「セカ就」する場合、日系企業に就職する場合が多いので、日本国内と同様の理不尽なルールの下で仕事をする可能性が多々あります。

   それ以上に、現地の人との接し方も大きく変わります。こちらが一方的にモノやお金を提供するボランティアは利害関係がないため、喜ばれることの方が圧倒的に多いです。しかし実際に営利企業で働くとなると、自分は「イヤな仕事を命令する上司」や「お金を請求する取引先」になります。

ギャップを消化し行動指針を変えられるのが社会人

   一方的にモノをくれる人には天使のような笑顔で振る舞う人たちも、めんどうなことを押しつける人たちに対しては、拒否したり誤魔化したり、逆ギレしたりしてくるものです。そんな豹変した態度に「こんなはずじゃなかった」と思う人は多いのです。

   ただ、これは、どんな道を通っても一度は体験することです。

   「お金を払って何かをしてもらっていた人」が「お金を貰って何かをする人」に変わるとき、様々なギャップが生まれます。そのギャップを自分の中で消化し、行動指針を変えることが社会人になるということです。

   これは、実は日本で就職するときも、世界で就職するときも変わりません。大切なのは、最初のギャップに驚いてすぐに路線変更をするのではなく、冷静になって自分は何をすべきか、どうすれば同僚やお客様に喜ばれるのかを考えて調整することです。

   元々チャレンジ精神が旺盛で行動力がある人なら、そのような段階を経れば、すぐに新しい環境にも慣れ、自分のすべきことが見えてくると思います。こういう人にこそ、是非広い世界で働いて欲しいと思います。(森山たつを)

※7/17発売の新刊「セカ就! 世界で働くという選択肢」(朝日出版社刊)では、世界で働く人たちの実態をリアルな小説としてまとめました。第一章は学生時代に海外経験をした若者が、帰国してブラック居酒屋でボロボロになり、再び海外を目指すという話です。興味のある方はご一読いただけたらと思います。
森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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