2020年 12月 2日 (水)

創業社長と二代目の対立 行き詰まったら「従業員」に聞け

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   1年ほど前のお話です。親戚筋で大手電機メーカーの下請けをかれこれ40年以上続けるD社社長が、法事の席でこんな愚痴をこぼしていました。

「デフレが一向に改善しないものだから、今年になってますます下請けイジメひどくなっていましてね。中には完全赤字受注もあって、やればやるほど損が出る。長年の付き合いなのに本当にひどい話ですよ」

社長は「なんとか耐える」、息子は「とっとと解散したい」

「デフレが解消されれば取引条件は好転する、なんて甘い話でしょ」
「デフレが解消されれば取引条件は好転する、なんて甘い話でしょ」

   アベノミクスでデフレ脱却に動いていると言われますが、その影響はD社まではまだ届いていません。下請けをいじめれば苦境を乗り切れるという大手の体質は何とかしてもらいたいものだと、社長は嘆いていました。

   下請け企業は東南アジアとの低コスト競争を強いられ、発注元が指定する価格水準まで下げなければ仕事がもらえない状況。そうは言っても、もう値引きは限界です。

「とはいえ、うちが海外に出て行くなんて到底出来ない。昔の貯金を吐き出しながら、景気が回復するのをじっと待つだけですよ。元請けの部長さんも『今は耐えて支えてくれ』と言っていますしね。4人の従業員は、息子以外は皆50代以上だけど、彼らをあと数年食べさせられるかどうかでしょうね」

   酒の勢いもあってか愚痴が止まらない社長でしたが、最後に言った「自分は何とか持ちこたえて次につなげたいが、息子は意見が違うらしい」という言葉が気になりました。

   ご子息は32歳。物心ついた頃にはバブルも弾けていて、実質的に好景気を経験したことのない世代です。そこで社長がいないときを見計らって、彼に会社の将来に関する考え方をたずねると、こんな話をしてくれました。

「父はデフレが解消されれば取引条件は好転する、オイルショックの時もそうだったと言っていますが、僕は疑問です。長年の付き合いだからと期待しているようだけれど、今の時代、大手はそんなに甘くないですよ」
大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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