2024年 4月 19日 (金)

海外で痛感する「SIMフリー携帯」の威力 東京五輪を前に日本にも「もっと便利」を

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   iPhone5sのSIMフリー版がでたこともあり、日本国内でもSIMフリー携帯電話が話題になってきました。世界の多くの国では普通に普及しているSIMフリー携帯。今回はこの便利さについてお話しします。

   「SIM」って何?という人のために、まずはSIMカードというものについて説明します。今使われている携帯電話のほとんどの端末の中にはSIMカードが入っています。日本では入れ替えることはほぼないので、知らない人が多いのですが、例えばiPhoneでは記事写真の様に筐体右サイドの穴にピンを刺すと、このように小さなカードが出てきます。

「シンガポールからタイへ」でカードを入れ替え

iPhone4Sの中のSIMカード。みなさんの携帯にもSIMカードは隠れています。
iPhone4Sの中のSIMカード。みなさんの携帯にもSIMカードは隠れています。

   このSIMカードに携帯電話に関する様々な情報が入っています。電話番号や契約形態などです。実は、このSIMカードを入れ替えることができるようになっています。

   例えば、私は今(執筆時)、シンガポールからタイに向かうため飛行場にいます。今、私のiPhoneにはシンガポールの電話会社SingtelのSIMカードが入っており、シンガポール国内で通話やデータ通信が出来るようになっています。当然、飛行機に乗ってバンコクの空港に降り立つと、この携帯は圏外になります(分かりやすくするためローミングについてはここでは省略します)。

   私は、一応仕事で来ているので、電話が繋がらないと困ってしまいます。そこで、今度はタイの電話会社AISのSIMカードを取り出し、SingtelのカードをAISのカードに差し替えます。そうすると、今度はタイ国内で通話ができるようになるのです。当然、携帯電話の番号もタイのものに変わります。

   このSIMカードは、空港や街中にあるセブンイレブンなどで簡単に購入することが出来ます。シンガポールであれば、15ドル(1200円くらい)でSIMカードを購入して、端末に刺し、簡単な設定をするだけですぐに通話が出来るようになります。ネットワーク通信も1GBのデータ通信権を7ドル(600円くらい)で購入できます。日本より物価が高いと言われているシンガポールでこの値段は、非常にリーズナブルです。

   このような街中で買えるSIMカードは基本的にプリペイド形式になっています。通話したり、データ通信権を購入したりするたびにSIMカードに入っている金額が減っていき、0になると通信出来なくなります。この金額は、セブンイレブンなどで売っているプリペイドカードやWebサイトなどから簡単にチャージすることができます。

テレフォンカードのような感覚で買える

   このようなプリペイド式の携帯電話は、旅行客にとってはとても便利です。私などは、あちこちの国を行き来しているので、全ての国で携帯電話の基本料金を払っていたらものすごい出費になってしまいます。それが、どの国でも500-1000円くらいのテレフォンカードを買うような感覚でSIMカードを買えてしまうというのは非常にありがたいことなのです。日本ではまだプリペイドSIMは発達してないのですが、これから東京オリンピックもあり外国人観光客が増えていくことになるのですから、是非手軽に買えるプリペイドSIMをもっと積極的に販売してもらえたらなと思います。

   ちなみに、このように海外でカードを入れ替えることで簡単に使うためには、端末がSIMフリーである必要があります。日本で買った携帯のほとんどが、「ソフトバンクで買ったらソフトバンクのSIMカードだけしか使えない」といったように細工がされています(これをSIMロックといいます)。私は、バンコクで購入したSIMフリーのiPhoneを使っていたのですが、最近、日本でもAppleがSIMフリーのiPhoneを販売し始めました。

   SIMロックの携帯は、あとから通話料とあわせて端末代を回収するというビジネスモデルになっているので「実質初期費用0円」みたいな形で販売されています。それに対して、SIMフリーの端末は正規の値段ですのでiPhoneであれば7万円以上します。

   日本国内だけで使うのであればSIMロックのものでも充分だと思いますが、海外に行くことが多い人は、SIMフリーの端末を購入することも検討してみてはいかがでしょうか?(森山たつを)

日本の「SIMロック」の現状、不満ですか?
不満。もっと「フリー」に
不満はない。現状でよい
犯罪抑止の観点から「フリー」は一切認めるべきではない
どうでもいい
その他
森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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