2024年 5月 5日 (日)

「60歳」雇用延長したけど「パソコンできず若手の邪魔」 「解雇できないか」と打診が来たが…

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臨床心理士 尾崎健一の視点
これまで培ってきた能力などの再評価を

   Bさんには、長い間勤めた部署を異動して戸惑いがあるのではないでしょうか。長くやってきた業務と社内外の人間関係が変わってしまったら不安になることもあるでしょう。経験が長くプライドを持っているなら、これまでのやり方に固執したり、出来るところを見せたいという気持ちが生まれたりすることも理解できます。新しい商品にはまだなじめず、パソコンが苦手な自分を受け入れきれていない精神状態なのかもしれません。

   この年齢まで辞めずに勤めたということは、何らかの貢献を会社にしてきたということ。解雇を検討する前に、「これまで培ってきた能力は何か」と「それを活かす方法があるか」を考えることが先でしょう。場合によっては、全く別の職種や部署で能力を発揮できるかもしれません。

   また、上司としては「できないから」と投げ出すのではなく、適切な指導をすることも必要です。シニア層の部下への指導は、「意見を聴く姿勢をもつ」「過去の成果を尊重する」「年上の人から言ってもらう」など本人のプライドへの配慮が必要です。

   古いと思われる「関係性重視」の考え方も、何かとドライな関係になりがちな現代では、顧客との関係のあり方を考える一つのきっかけにしても良いのかもしれません。

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尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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