2024年 4月 25日 (木)

「軽度のうつで出勤」社員に周囲から不満 好不調激しく「フリーダムすぎる!」

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

臨床心理士 尾崎健一の視点
本人承諾の上、周囲に「病気」に対する正しい情報提供を

   問題を、「本人の仕事の生産性の低下」と「周囲の人の病気に対する情報の不足」の観点から捉える必要があります。

   生産性の変動があるのは病気(または治療のための薬)がどの程度影響しているかを主治医に確認する必要があります。主治医の判断で就労可能とのことですが、主治医も業務の負荷や職場での状況を正しく把握していない可能性もあります。上司や産業保健スタッフから会社での様子を情報提供したうえで主治医の意見を求めましょう。現状の負荷に耐えられないとなれば業務量を減らしたり休職させたりすることも検討します。

   一方、周囲の人が病気に対して情報や理解の不足があれば、正しい情報提供が必要です。「病気の特徴」「薬の副作用」「快復の見通し」「必要な配慮」などを産業保健スタッフを中心とした専門家から説明してもらうとよいでしょう。公平性という観点から、周囲の業務量と差が大きい場合は、量と報酬のバランスを調整するケースもあります。

   なお、主治医との連携や周囲への説明の際に、本人の同意をとり本人の意思を尊重して行わないとトラブルのもとになりますので注意しましょう。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中