2024年 4月 27日 (土)

入った会社がブラック企業だった… 泣き寝入りしない「1プラス9」の対処法

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「結局、得をするのはブラック企業」を許さない

   2012年末に厚生労働省がおこなった「社内パワハラ」についての調査結果が手元にあるのだが、「7割以上の企業が社内外に相談窓口を設置していた」にも関わらず、パワハラを受けた人の対応で最も多かったのは「何もしなかった」の46.7%。窓口を設けたところで、プライバシーや人事評価への影響を恐れて相談しないケースは多いのだ。

(実際、コンプライアンスを推進しているはずの大手光学機器メーカーO社や大手製薬メーカーN社などで、内部告発をした社員が不当な扱いを受けた事件が発覚している)

   体感値としては、ブラック企業から何かしらの被害に遭っても、「泣き寝入り」か「黙ってその会社を去る」という形で、結局会社に対して「何もしない」人が8割くらいという印象である。

   手続き的に時間や手間がかかったり、法的対処をすればお金がかかったりもするので、面倒に感じてしまうのも致し方ないのだが、我慢や泣き寝入りがブラック企業を助長し、新たな犠牲者を生むことにも繋がりかねない。「結局、得をするのはブラック企業だけ」というのは絶対に容赦できない問題である。

   それでは、あなたの会社が「ブラック企業だ!」と感じたとき(感じる前も含めて)にやっておきたいことを段階別にアドバイスしていこう。


(1)普段から同僚同士で助け合い、困ったときに味方になってくれる人間を増やしておく
(2)「労働組合」に入り、会社と対等に主張できるようにする

⇒誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまうことが問題解決を遅らせる。まずは「自由にモノを言える関係性」を創っておくことが重要だ。自社内に組合がなくても、正社員でなくても、ひとりでも入れる組合が存在している(たとえば、首都圏青年ユニオン)。


(3)「労働法」を知っておく

⇒何が違法なのかが分かれば、問題意識を持ちやすくなる(参考:厚生労働省が分かりやすくまとめた資料リンク)。


(4)とにかく「記録」と「証拠」をとっておく

⇒タイムカードや違法な業務指示のメール、就業規則などはコピーをとっておき、暴言やパワハラ発言はICレコーダーに記録。1日のスケジュールをメモしておくのもいい。これらは全部、法的対処をする際の資料になる。

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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