2024年 4月 20日 (土)

入った会社がブラック企業だった… 泣き寝入りしない「1プラス9」の対処法

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アナリストと情報共有を

(5)「労働基準監督署」に告発する

⇒いわゆる「労基署に駆けこむ」というやつだ。ただし、労基署はあくまで「労働基準法に則って事業所を取り締まること」が仕事で、労働者のお悩み相談所ではない。賃金未払いなど、確実な証拠が揃っている悪事が優先されるので、その前提で利用したい。


(6)都道府県の労働局に「あっせん」を依頼する

⇒労働法の専門家であるあっせん委員が、労使双方から個別に話を聞いてあっせん案を作成し、それを双方が受け入れれば和解が成立するという公的制度である。


(7)「労働審判」をおこなう

⇒2006年に新しくできた、「あっせん」と「裁判」の中間的な制度。労働問題の専門家である労働審判員が双方の言い分を聴いて審判を行い、基本的に調停、和解による解決を目指すものです。「原則として3回以内で結審」「約2か月半で結果が出る」「結果には強制力がある」という点で、ブラック企業対策の切り札になると注目されている(参考記事「労働基準監督署にうまく~(略)」)。


(8)「裁判」に訴える

⇒最終手段だが、弁護士費用を合わせると数十万円、そして1年以上の裁判期間がかかる覚悟が必要である。


(9)「ブラック企業アナリスト」に情報共有し、世論を動かす

⇒オチのようだが、意外とそうでもない。「正攻法では解決困難な問題を、世論を喚起することで解決に導く」のは私の仕事のひとつだ。たとえばこの「野村総研、強制わいせつ裁判で敗訴?被害者女性への組織ぐるみの脅迫行為が認定」という事件は、私が数年越しで関わった案件である。

   タイミング的には、(4)あたりの段階でお声掛け頂ければお力になれるはずだ。


   最後に、採用側の人事責任者、採用担当者にもお願いである。思いがけずブラック企業に入ってしまう「不幸なミスマッチ」に遭ってしまった人が離職後に応募してきた場合、覚悟を評価して、寛大な気持ちで採用して頂きたい。(新田龍)

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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