職場でのストレスは、家庭におけるほど感じていなかったことが、米ペンシルベニア州立大学の研究者チームの発表で明らかになった。ウォールストリートジャーナルが2014年6月3日、報じた。研究者チームは5月、「Social Science & Medicine(社会科学と医学)」電子版に掲載された最新論文で、被験者の大半が職場にいる時のコルチゾール値(ストレスに反応して副腎皮質から出されるホルモンの分泌量)が、家庭にいる時よりも恒常的にかなり少ないことを発見したと発表した。この結果は男女を問わず、また子どもの有無にかかわらず、当てはまるという。
「職業の種類」や「既婚か独身か」で違いはなし
研究チームは、被験者たちにほおの内側をこすって自らコルチゾール値を検査するよう教え、1日に6回実施するよう促す装置を配布。検査時に被験者がどこにいたのか、どれほどストレスを感じていたか、あるいは逆にどれほど満足していたかも報告してもらった。被験者のコルチゾール値のみを測定した。
その結果、被験者の大半のコルチゾール平均値は、職場にいた時のほうが家庭にいた時よりも低かったことが判明。被験者の職業の種類や、既婚か独身かで違いはなく、仕事を好きかどうかも関係なかった。
なお、研究者チームは米国北東部の中堅都市で被験者122人を無作為に抽出して実験協力を依頼した。被験者はいずれも18歳以上で、自宅以外で週5日間就労している。就労時間は6時~19時のあいだ。