2024年 5月 7日 (火)

「宣伝臭いリリース」には冷たい視線  「広報と広告の違い」を理解するためのポイント解説

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オーバーな表現、宣伝文句の羅列…

(3)ニュースリリースは宣伝ではなく、社会への情報伝達だ

   ニュースリリースは、メディアに掲載してもらうための最重要ツールだ。メディアは社会性、初めての製品・サービス、話題性、読者ニーズなどを総合的に判断して、掲載の判断をする。日々、膨大なニュースリリースが送られてくる中で、大企業は分かりやすい見出し、5W1Hをリリースの前段に収めて冒頭の10行を読めば全体が把握できるような構成に努めている。

   ところが、上場企業を含む多くの企業ではリリースが宣伝文章になっているのが実態だ。広報が一般社会と良好な関係を構築し、維持していくための活動であり、ニュースバリューがあって初めて掲載されることを理解していない会社が圧倒的に多い。最も多いのは、トップ自らがリリースを宣伝臭い文章に書き換えるよう指示を出すケースだ。具体的にはオーバーな表現、リリースの本質ではない宣伝文句の羅列、そのくせ肝心な部分でも都合の悪い部分は書かないといったことが目立つ。

   また、当該リリースの新製品・新サービスを生み出した事業部門長の思い入れが強すぎて、宣伝臭さ満載の文章になってしまうケースも多い。記者は多くのリリースと日々、接しているので、宣伝臭いリリースを出す会社を心の中でダメ会社扱いしている。掲載される確率が低下するのは言うまでもない。

(4)掲載記事のネット利用の際は許諾をとる

   コンプライアンス(法令順守)が叫ばれながら、掲載記事をホームページやFacebookに勝手に掲載したり、営業ツールに使用したりするケースが後を絶たない。記事の著作権はメディアに帰属しているので、これらは法律違反だ。コンプライアンスにうるさい人が見れば、法律を守れる企業かどうかがこれだけで分かる。記事使用の許諾料は年間に1万円もかからないケースがほとんど。クリーンなイメージをアピールするためにも、許諾はとっていただきたい。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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