2024年 4月 19日 (金)

ナメてる社員に「お前は、会社にぶら下がって食わしてもらっているだけだ」と指摘 すると...

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   中途入社の社員で仕事に真面目に取り組まない、自分はできると思ってなめてかかっているという人がいます。こういう社員に悩んでいる会社は意外と多いものです。

   私が毎月訪問して研修を実施している企業でこのようなことがありました。

   研修に参加しているものの、適当に聞き流していているように見受けられた20代の社員がいました。予め会社の方からどういう状況なのかも聞いていて、いまいち仕事に本気で取り組んでいないということだったので、引き締めないといけないと思いました。

現実を突きつける

仕事中に、くつろぎ過ぎではないかね?
仕事中に、くつろぎ過ぎではないかね?

   突然私は

「君はここに座っているけど、話聞いてないだろう?」

と質問しました。当然、「聞いてます」と返してきますよ。

   さらに、私はこのようなことを言いました。

「お前は何もできていない」
「お前は、会社にぶら下がって食わしてもらっているだけだ」

   こんなことを社内で言われたことは、ないのではないでしょうか。

   大事なのは、「本人に現実を突きつけて変なプライドを破壊する」ということです。

   感情で怒るということをするのではなく、現実を突きつけ、「このままでは自分はダメだな」と考えこませるように言う必要があります。

   「こうすれば良くなるよ」というような話をしても、本人は聞き流すだけだと思ったので言いました。人格否定や誹謗中傷ではなく、会社での業務に対してできていないのであれば厳しく言います。もちろん相手を見て「ここまでは言っても大丈夫かな」というように言い方には気をつけるようにしています。

   本人にとって厳しいことを言って、もし間違ったことを言ったのであればきちんと謝ります。

   言うべきことを言ったら、後に引きずるようなことはせず、相手は私のことを嫌いになっているかもしれませんが、私は普通に接します。

外部の人間が言うと、受け入れられやすい

   私は、研修中に大声で挨拶を何回もさせるとか、チームで何かをやらせて1人でも失敗したら最初からやり直しさせるようなワケの分からない理不尽なことはやりません。

   しかし本人ができていない、意識が低いといったことについては、言いにくいことでもなるべく言うようにしています。

   会社の人も、知っていてもなかなか言えないと思います。言ったらパワハラと言われかねないし、その後の人間関係が悪化する可能性があるからです。

   本来は社内の人が言えれば一番良いとは思いますが、言えないことが多いのが実情です。

   だから私のように外部の人間を上手く活用して、会社が言いたいけどなかなか言えないことを代弁してもらうという役割はあるかと思います。

   同じことを言っても、社内の人が言うのと社外の人が言うのとでは、受け取り方が違います。例えば経営者や人事の人が言うと

「どうせ俺達を会社の都合の良いように使いたいだけだろ」

と思われてしまうことが多く、なかなか話が伝わらないことがあります。

   一方、外部の人間が言うと、客観性があることから受け入れられやすいということがあります。

   もちろん内容が悪ければクレームは起きますけれど......

   社内外問わず、相手に厳しいことを言ったら、その相手を見守るということが大事になります。変わろうとしている人は、何か小さな行動をしようとします。

   例えば、今まで出社がギリギリだった人が早く会社に来るようになったり、コミュニケーションが苦手な人が自分から話しかけようとしていたりと、他の人からすると当たり前の行動でも本人にしては大きな一歩だと思います。

一度破壊して新しいものを創造する

   こういうことは、日頃から相手に関心を持って観察していなければ見落としがちです。

   だからよく観て、良い点があったら褒めるのです。

「今のいいよ。その調子な」

という風に「こういう行動をしたら褒められるんだ」ということを相手に伝えていくと、行動が強化されていきます。そして悪いことをした場合は、しっかり指摘します。

   お伝えしたことは、当たり前のようなことかもしれませんが、できていない人が多いです。

   部下に関心を持って接していくことが、とても大事だと思います。

   私はある企業でこれを実際にやってみたら、社員が急に成長してきたのです。

   彼らは、最初は周りから「あいつは使えない」というレッテルを貼られていたのですが、次第に変わっていくうちに周りの見方も変わってきました。

   一度破壊して新しいものを創造する。

   こういうことが大事なのではないかと感じています。(野崎大輔)

野崎大輔(のざき・だいすけ)

大学卒業後に無職、離職を繰り返し社労士として独立し、企業の労使トラブルの解決に奔走する。2013 年7 月に自律型人材育成専門コンサルティングを行うデストロイ・ジャパン株式会社の創業メンバーに加わり、専務取締役に就任。社員が自発的に行動する組織作りに注力している。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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