就職活動中の人が悩まされ、恐れるものの1つが「圧迫面接」だろう。わざと意地悪だったり威圧的だったりする質問を繰り返し、どう反応してくるかを見るという手法だ。「こんなストレスフルな面接で人を評価するなんて」と憤る人は多いが、そんな風潮に異議を唱えるツイートが投稿され、話題になっている。「圧迫面接でムキーとなる奴は使えない」なるべく受けたくないけれど...2014年11月7日、あるツイッターユーザーがこんなツイートを投稿した。「よく圧迫面接を否定する人がいるが、企業は臨機応変さとストレス耐性を見ているんだよね。『一人っ子に用はない』と言われてムキーとなる奴は使えない。『そんな興味が無い者にわざわざ面接の機会をいただいた事に感謝いたします』とかさらっと言い返すことが出来るかどうか、そう言う所をみている」「圧迫面接は必要だ」という意見だが、このツイートが1週間ほどで900超もリツイートされ、話題となっている。他のツイッターユーザーからは、「アホか」「そんなクソみたいな質問する会社には入らなくて良さげ」「面接する側の職制として書く。無能面接官」など反発の声が寄せられる一方、「20年近く前、市役所の採用試験で圧迫面接を受けましたが、ぐうの音も出ないよう言い返したら合格しました。相手を見て面接をしない役所の姿勢に腹が立ち、内定を蹴り、普通の会社員をやっています。ただ、圧迫面接に負けていてはサラリーマンの仕事もできなかったことは確かです」と、経験から「圧迫面接は必要だったかも」という意見もある。社会からの信用を失う可能性も?そもそも圧迫面接が行われる意図は何なのか。就職活動に関する知識や情報などを掲載しているサイトをいくつか見てみると、「ストレス耐性を見る」というのが最大の目的で、その他「その人の人物像や性格を把握する」「就職後に意地の悪い客や得意先とも上手く付き合えるような、人間関係のスキルを見る」などがあるようだ。一方で、「圧迫面接をする際は気を付けたほうがいい」という声もある。「弁護士ドットコムニュース」に2012年11月、「圧迫面接でうつ病になった人が、企業に慰謝料を請求することは可能か」という記事が掲載された。見出しの質問に対する、川崎政宏弁護士の回答を短くまとめると、「圧迫面接と病気の発症の因果関係の立証が困難なので難しいだろう」というものだが、「圧迫面接を行なったことで裁判になった場合には、たとえ慰謝料を支払う必要がなくとも社会からの信用を失うことになりかねないので、安易に圧迫面接の手法を用いることは避けるべき」とも指摘している。厚生労働省は、雇用主に対し「公正な採用選考」を求めるため、「採用のためのチェックポイント」を定めている。その中に「面接は、応募者の基本的人権を尊重する姿勢、応募者の潜在的な可能性を見いだす姿勢で臨んでいる」という項目があり、これが「いいえ」だった企業には、「貴社の採用選考システムを見直していただきますようお願いします」としている。(MM)
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