2024年 4月 25日 (木)

「進化しているマニフェスト2014」を読む

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痛みを伴う政策かどうか


   経済成長はあくまで個々のプレイヤーである企業や個人がするものであって、政府が特定の産業を成長させたり、バラマキで国民を豊かにしたりするのは不可能だ。だから、政府がそのための出来るのは規制緩和くらいであり、何らかの痛みを伴う政策となる。国民の誰にも痛みを与えない、誰からも既得権を取り上げない夢のような政策が並んでいれば、その政党は最初から何も実現する気が無いと思っていいだろう。


   先日、筆者自身も参加する若者マニフェスト策定委員会は、主要政党のマニフェストを採点の上、ニコニコ生放送上で解説するというイベントを行った。3時間40分という超長時間放送にもかかわらず、3万人を超す来場者にコメント数1万6000と、イデオロギー色のない政治コンテンツとしてはかなりの反響だったように思う。


   その中でも話題となったのが、全般的なマニフェストの進化だ。2008年に初めて政党マニフェストを評価した時には、特に雇用分野なんてすべての政党がマイナス評価でしかなく「本当にこういう活動を続ける意味があるのか」と真剣に悩んだ記憶がある。


   だが、ダメ出しを続けるうちに「労働市場流動化」や「世代間格差是正」を明言する政党がぽつりぽつりとあらわれはじめ、いまや複数の政党がそうした方向性を打ち出しつつ、独自性を競う状況となっている。マニフェストは死語だ、なんて言う人も多いけれども、着実に政策は進化しているわけだ。これは素直に評価していいだろう。


   一方で、同じ6年間、まったく実現する可能性もその気もない政策を並べ続けている政党も、残念ながら存在する。目立った争点は無いのかもしれないが、若年層が一票を有効に使うことで、変化する気の無い政党に変化をうながすきっかけになれば幸いである。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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