2020年 10月 28日 (水)

「ブラック隠し」求人票を排除せよ その前提「ブラック判定」はこうすべし

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違法なのか、そうではないのか

   それぞれは追って検証していくとして、まずは本稿のテーマである「何をもってブラック企業とするか」について述べていきたい。

   自らブラック企業に身を置き、多数のブラック企業を目の当たりにしてきたブラック企業専門家としては、ブラック企業をこのように定義している。

「明らかに違法な労働/取引条件を、違法であることを認識していながら、改善する意思なく、従業員や取引先に強いる会社」

   この「違法状態を故意に放置」というところが要点である。下図をご覧頂きたい。

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   これらはいずれも、その会社が「ブラックと認識される要素」である。自社の内情に不満を持つ人が、「ウチは○○だからブラック企業だ!」と叫ぶときの、「○○」に入るキーワードとお考え頂ければいいだろう。

   そして、ここがまさに議論が食い違うポイントでもある。

   たとえば、ある人が「サービス残業を強要されてブラックだ!」と言い、ある人は「給料が全然上がらなくてブラックだ!」と訴える。どちらも大変な状況に変わりはないが、この2つを一緒に論じることに違和感を抱く人もいるはずだ。そして、その感触は正しい。

   なぜなら、前者(サービス残業)は、労働基準法第37条で定められた「時間外労働分の割増賃金を支払う」ところに違反しており、明らかに「違法」である。しかし後者(給料が上がらない)は、「その会社にはそもそも定期昇給制度がなかった」というハナシであれば、それ自体は特段法律には反していない。すなわち「合法」だ。

   先の図の真ん中に流れる「黒い川」のようなものが、「違法」と「合法」を隔てる線である。

   「違法」は明らかにNGで、絶対にやってはいけないこと。「合法」については、「だからすべてやっていい」わけではないものの、その会社が独自に設定した基準に即して運用されているものであり、労働者との間で合意できているのであれば問題はない。

   多くの場合、このような違いを無視して「違法なものも、合法なものも、全部一緒くたにして『ブラックだ!』という」から訳がわからなくなるのだ。

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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