2019年 10月 20日 (日)

「不要な残業で給与底上げ」社員への復讐 「ボーナス減額で調整してやる」!?

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   先般、残業に関する社長と社員の考え方の違いを取り上げたところ、多くの知り合いからそれに関するご意見をいただきました。一番多かったのは、中小企業の社長方から寄せられた、仕事が遅い担当者の無駄残業を全面禁止したいという社長への賛同意見。代表例は、中小企業のオーナー社長からいただいた次のようなものです。

   「取り上げられた社長さんの気持ち、よく分かります。日中無駄口をたたいていたり、自分の手際が悪かったりして残業になっているのに、あたり前のような顔をして残業手当を請求してくるのは本当に腹立たしい。『自分が原因で残業になるなら、残業をつけるな』とか、『終わらないなら家でやれ』とか言いたいところですが、そんなこと言おうものなら今どきはすぐに『ブラックだ!』とか騒がれちゃうから、本当にやりにくい。困っている経営者はたくさんいると思います」

社長と社員の意識の深い溝

「自分の財布」意識が生むシビアさ
「自分の財布」意識が生むシビアさ

   中には次のような、過激な解決策を示してくれた経営者もいます。

「遅くまで職場にいたり休日出勤したりして、残業代を稼いで給与の底上げをはかる残業社員は見ていればすぐ分かります。そういう社員は半期ごとの賞与で、その分をマイナスにすることを検討中です。仮に毎月約3万円の残業代を支払っているなら、賞与支給額から<勤怠査定>として6か月分でマイナス18万円。納得しない社員は辞めていくでしょうが、会社から残業代をかすめ取ろうとしているようなものですから、それもやむなしです」

   個人的にはこのやり方は行き過ぎの感が強いと思うのですが、「こんな話もあります」と他の社長方に話してみると、「妙案ですね」「参考にします」などと、皆さん比較的好意的に受け止めていました。社長から見た社員が生み出す不要な支出に対する嫌悪感の強さを物語っています。

   一方、社員の立場からこれらの社長方の感覚に対する意見を聞いてみようと、別の中小オーナー企業社員たちに質問を向けてみたのですが、真っ向から対立する意見が出されました。

「悪意を持って残業代を稼ぐなんて言うのは、ごく一部の例外」
「仮に仕事が遅いという理由でも、残業になるなら残業手当を請求するのは当然の権利」
「無駄な残業をさせたくないなら、させないような仕事の割り振りなり管理をしっかりすればいい。管理がザルなのに、残業はけしからんなんて経営者の責任転嫁」

   両者の溝は深いのです。そんな中で社員の一人Hくんが、「中小企業経営者ほど残業手当に神経質じゃないでしょうか」と発言し、続けて興味深いことを口にしました。

「私は最初、大企業に勤めて2年で退職して今の会社に移りました。前の会社でも同じように残業削減は盛んに言われてはいましたが、大企業の管理はもっとあっさりしていたような気がします。何と言いますか、中小企業経営者はこの点での執着心が強すぎる、そんな気がします。社員から見てものすごく違和感を感じます」
大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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