2024年 4月 18日 (木)

踏んではいけない 疑似ブラック上司のタイプ別「地雷」

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(3)「無気力上司」の「地雷」とは

【傾向と特徴】
・仕事は遅く、成果も出せない
・意見がコロコロ変わり、指示したことも忘れる
・仕事は丸投げで、責任もとらない
・優柔不断で、はっきりと意思決定をしたがらない
・他人に興味がなく、相談しても有効な回答が返ってこない


【注意点】
・本当に無気力なパターンと、やる気はあるがマイペースのパターンがある
・問題があっても問題と感じず放置してしまうので、周囲はトラブルに見舞われる
・面倒なことは避けたいので、大きなプロジェクトなどには逃げ腰
・基本的にネガティブで、よくわからないものには反対姿勢をとる
・たまに「自由にやれ」と懐が広いところを見せるが、やはり責任はとらない


【口ぐせ】
・ボク、よくわかんないんだよね。まあ、適当でいいよ
・あとはやっといて。よろしくね~
・え!? そんなこと言ったっけ?


【地雷】
・ぜひ、今すぐご決断をお願いします!
・多少リスクはありますが、この新しい企画をやってみたいんです!
・スミマセン、プロジェクトの今後の方向性と私のキャリアについて相談がありまして・・・


【ウケるセリフ】
・○○さんにはラクをして頂きたいんですよ!
・我々で巻き取って進めますので!
・ご指摘ありがとうございます!


【分析】
   部下の立場でもっとも対応しにくいのが、この無気力、無責任、保守的なタイプの上司だ。無気力な本人たちにとってはそれが「当たり前」であるから、サボっている意識はない。そんな環境に入ってしまうと、あまりのゆったり感に愕然としてしまうこともあるだろう。仕事に熱くなる自分の方がむしろ浮いてしまったり、頑張れば頑張るほど自分だけに負担がかかり不本意な思いをしたりすることさえあるかもしれない。
   この現象は「そんな無気力社員でも養うだけの余裕がある会社」限定であり、成長中の新興企業ではあまり見られない。そんな社員でもクビにならずに済んでいる日本の寛大な労働法制も含め、それなりにいいことなのかもしれないが、「そんなのやってられない!」と感じる人はどう考え、どう行動したらいいのだろうか。


【対策】
   対処方法は大きく2つに分かれる。「上司だけが問題」の場合と、「周囲メンバー全員やる気なし」という場合である。まず前者からみていこう。
   上司だけが問題と感じるなら、周囲のやる気ある同僚と結託して、自分たちのやりたいように仕事をすればいい。
   基本的に無気力上司は「事なかれ主義」で、面倒なことや責任を負うような事態を避けたがる。逆に言えば、その部分を自分たちで担保すれば、「じゃあ、好きにやってよ」となる可能性が高いのだ。ぜひ、実現したい仕事のシナリオを創り、実行していこうではないか。
   「それは難しい」とか「前例がない」みたいな、上司が言いだしそうな「ネガティブで保守的な批判」には先手を打って、「その際のリスクは・・・」「メリットは・・・」とメンバー全員で説明できれば、「ま、全部やるといってるし、手離れもいいからまあいいか」と判断することだろう。成果があがれば、自分たちの部署の実績にもなるのだから。
   「周囲メンバー全員やる気なし」の場合、もう完全に割り切って、自分中心に過ごすほうがよいだろう。いくら周囲の仕事が遅かろうが、自分のペース、自分のリズムで仕事する。自分なりに仕事を効率化して早めに済ませ、定時になったらさっさと切り替えて自分の時間を楽しむ。それで充分である。
   貴重な自分の人生である。思い通りに動かない周囲に憤っていても時間とエネルギーのムダだ。自分自身の成長を志し、広い世の中に目を向けて過ごしていこう。

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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