2024年 4月 19日 (金)

「シリコンバレーに年功給与」巡る大誤解 実は日本型「年功」とは無縁の代物

実力主義であることは、なんら変わらない

   ただ、日本の年功序列と違うのは、ランクが自動的にあがるわけではないということです。10年たったらみんなパートナーになるわけではない。10年間に競争があって、なれるひと、なれないひとが居るわけです。たとえば、コンサルの場合、採用されたひとのうち10人とか20人に1人しかパートナーになれない。

   能力がみとめられて、ランクがあがれ(昇進すれ)ば、給与は増える。ただ、昇進できなければ、いつまでも元の給与のままです(クビもあり得ます)。それに、年齢も関係ない。超優秀なひとは2年でパートナーになったりします。つまり、実力主義であることは、なんら変わらないのです。

   一方日本の年功序列の場合は、文字通りの年齢給です。能力に関係なく、年齢に応じて給与がアップする部分があります。これはもともと生活給の意味合いが強く、35歳になれば結婚するだろうし、45歳になれば子供も大学にかよってカネがかかる。だから年齢に応じて給与を出そういうのが根底の発想です。

   これらを混同して、年功序列だといっているのは、まったくのミスリードと言わざるを得ません。

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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