上司に花を持たせていますか?

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   花を持たせるとは人に名誉を譲る。その人を立てて功を譲ること。例えば、長年活躍してきたスポーツ選手の引退試合。後輩たちは先輩の功績を称えて、活躍できる機会を譲る場面をみかけます。こうしたことが花をもたせる場面の典型かもしれません。

   美しい光景ですが、後輩たちも、今後の関わりを円滑するために行う気配りといえます。「あのとき(引退試合)では世話になった」とのことが、先輩がコーチや監督になったときには自分にプラスになります。そんな、花を職場で上司や先輩社員にもたせていますか?

トラブル処理の着地点

部長のお蔭です
部長のお蔭です

   そもそも「上司はトラブルに使うツールだ」とよく言います。何かトラブルが起きた時に、クレーム処理を一緒にしてもらう。自分では処理できない、またはうまくいかない時に助けてもらう。そんな頼もしい存在です。上司としても、部下に頼られるのはまんざらではありません。たとえそれがトラブル処理であっても、自分が行くことでトラブルが収まるのであれば、なおさらです。部下の失敗によって取引先を怒らせてしまった。そこへ上司として付き添い、きちんと対応したら先方の怒りが収まった。そうなると、上司は「俺のトラブル処理を見て、勉強になっただろ?」と部下に対して得意になれます。さらに、「俺ってすごいな」と思う反面、「この場面で俺を使ったあいつもなかなかやるじゃないか」と、部下への評価もアップする。

   一方で、もし自分が行ったところで、状況が何も変わらなかったとしたら?

   部下の謝罪に付いて行ったのに、先方には聞く耳を持ってもらえず、さんざん罵倒されて土下座しても何も変わらなかったとしたら、上司も「もう二度とこいつには付き合いたくない」と思うはずです。

   もちろん、そうは言っても上司も仕事だから付き合いますが、その部下に対する評価は著しく落ちるはずです。

手柄を独り占めしてはいけない

   このように、「上司をトラブルに使う」といっても、トラブルが解消できる見込みがある場面で使うのと、上司が行こうが行くまいが明らかに先方の怒りが収まらない状態で使うのとでは、まったく効果が違います。トラブルを止められる場面において上司をうまく使うことで「花を持たせる」部下と、トラブルを止められそうにはないのに体面上連れて行って、結果「顔に泥を塗る」部下。上司から見た時に、どちらの部下に「上司の使い方の上手さ」を感じ、どちらを「優秀」と思うかは、一目瞭然ですね。優秀な人は、上司を使って「仕事を前に進める」という形を作ります。上司というカードをうまく使いながら、上司との共同作業によって仕事を前に進めていく。それを上司に体感させることによって、その人は「優秀」と思われるわけです。

   自分が成し遂げた仕事であっても、手柄を独り占めしてはいけません。周りの人にその手柄を分けること。自分の分け前を、上司にも分けてあげることです。その度量の広さを持っていると、結果として高い評価を得ることができる。周りから見た時に「優秀」と思われる要素となります。

   そういった意味では、仮に自分ひとりでトラブルを収められる状況であっても、上司を連れて行き、「上司のおかげで仕事がうまく進んだ」と形づけることが重要です。

   手柄を分けられる場面をうまく利用して、自分の「優秀さ」をアピールすることも、時には必要と言えるでしょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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