2024年 4月 25日 (木)

接待で飲み過ぎ社用PC忘れた 「情報流出で損害」分、個人が賠償しないといけませんか?

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

「故意」の場合は、懲役に問われる可能性も

   もしもこれが、置き忘れではなく故意に情報を流したという場合には態様が悪質ですので、請求される金額も上がります。会社の責任と従業員の責任を比べた場合、従業員の責任の方が圧倒的に大きいので、会社から求償される金額も当然、高額になります。

   それどころか、態様によっては、不正競争防止法という法律で処罰される可能性もあります。この法律は10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金と、とても重い罰則が規定されています。

   また、資料を会社から持ち出して流出させたということになれば、別途、窃盗罪や横領罪、背任罪が成立する可能性もあります。

   なお、過失でクライアントの企業情報を流出させてしまった場合には、これを処罰する規定は現行法上ありませんので、刑事責任まで問われることはありません。


   ポイント2点

   ●会社がセキュリティ対策を行わず、従業員が不注意で情報を流出させてしまった場合は、会社も責任を負う。しかし、個人もある程度は負担する可能性がある。

   ●過失ではなく、流失が故意であった場合、不正競争防止法によって10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金が科される場合がある。別途、窃盗罪や横領罪、背任罪も負う可能性がある。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中