2024年 4月 26日 (金)

陥ってはならない「ロダン・ストレス」の罠 【職場のストレス大解剖】

   ハイパーチェンジの時代は、情報過多の時代です。

   「よく状況を見極め、思考せよ」と教えられます。ここに、ストレス学では「思考の罠が存在する」ことになります。

   彫刻の父、ロダンの「考える人」はあまりにも有名です。デカルトも、「われ思う、ゆえにわれあり」という有名な言葉を残していますね。

まるでロダンの「考える人」

ストレスを高める思考パターンとは?
ストレスを高める思考パターンとは?

   ビジネスパーソンの重要な能力の一つにロジカルシンキングがあります。「考えること」は、高等な頭脳を与えられた人間の特徴です。逆にこの頭脳がストレスを高めもします。

   ストレス反応には、ストレスが無いのに「ある」と答える場合があります。「いやー、参った。日曜日なのに、接待。ゴルフだよ。ストレスだらけだよ」と言いつつ、顔は、うれしそうにイソイソしている場合などです。逆に「ゴルフは好きだから、日曜の接待でもかまいません」と答えて、顔にペーソスがにじんでいる場合もあるでしょう。

   ストレスチェックの目的は、自ら気づいて対処につなげることです。だから「あるのか」「無いのか」に、ただしく気づくことが不可欠です。気づくためには「考えなさい」と言われます。

   まるでロダンの「考える人」のように考ること自体は問題ありませんが、ストレスを高める思考パターンをしてしまうことがあります。わたくしは、このストレスを高めてしまう思考パターンを「ロダンストレス」と呼んでいます。ただ、これには、自身を苦しめるような「悪いロダンストレス」と、思考の回路を少し変えることにより、自己の成長にも結びつく「良いロダンストレス」とがあります。

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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