社員教育に変化の兆し いま会社が求めているコト
【長寿企業の素顔】

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   300社超の長寿企業の経営者に「社員の教育・研修で重要なこと」について聞いたところ、1位の「会社の理念」が23%で、次に「業務知識そのもの」と「モチベーションの向上」が18%の同数で続きました。まさに長寿企業らしく、理念教育がトップに来ました。

   この調査では、同じ時期に非長寿企業の経営者11人にもヒアリングをしましたが、同じ質問に対して、「業務知識そのもの」が一番に上げられたところを見ると、社員に期待をしていることが、長寿企業と非長寿企業では違いがあるようです。

理念系の教育が業務知識系を上回る

「技術」の重要性が増している
「技術」の重要性が増している

   「社員の教育・研修で重要なこと」のアンケートには、10の選択肢を用意しました。長寿企業での答えを理念系と業務知識系に分けると、理念系の答えが上記に加え、「モチベーションの向上」「マナー」「懇親」などで計51%、業務知識系では上記のほか、「商品・製品の知識」「年度の経営方針」「目標設定」など計46%と、わずかに理念系が上回りました。長寿企業にとって、会社の理念は今日まで会社が存続してくることができた、その「秘訣」を凝縮したものです。よって、長寿企業では会社の考え方を教えることが最優先で、それを共有してもらうことが、社員として働く上で最も大事なことと考えられています。

   ただ筆者は、この質問の答えではもっと大きな差が出てくると予想していたので、5ポイントしか差がないところに注目しました。というのは、別項の「経営6要素」、ヒト、モノ、カネ、技術、情報、哲学の重要度調査で、「経営の3大要素」と言われてきたヒト、モノ、カネと比べて、技術がヒトと同レベルで重要とされ、モノ、カネを凌駕する結果が出ており、これが長寿企業の社員教育に与える影響について関心があったからです。

浅田厚志(あさだ・あつし)
青山学院大学総合研究所・客員研究員で、長寿企業の経営哲学などを研究中。「出版文化社」代表取締役社長でもあり、創業以来、多くの社史・記念誌の企画制作や、出版企画プロデュースなどを手がけている。著書に『成功長寿起業への道』など。
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