営業マンがスーツにネクタイ、革靴を「身だしなみ」として求められるのと同様、女性も職種によっては「ハイヒール」の着用を求められるケースがある。イギリスで、そんな伝統文化に「革命」が起きた。ある派遣の女性が職場でハイヒール着用を強要され断ったのを機に、抗議の声が広く巻き起こったのだ。平らな靴でいけない理由あるの?軽やか? いえいえ男性にはわからないキツさ英BBCの報道(2016年5月12日)などによると、ロンドンの大手会計事務所「PwC(プライスウォーターハウスクーパース)」に受付係として派遣されたニコラ・ソープさん(27)が15年12月、かかとが平らな靴を履いて初出勤した際、同事務所から「高さ5センチから10センチのハイヒールを履くように」と求められた。ハイヒールを履いて1日9時間シフトで働くのは大変だ、と派遣元のポーティコ社に訴えても、ハイヒールの靴を買ってくるよう求められたというソープさん。突っぱねると、無給で帰宅するよう命じられた。逆に「平らな靴だと仕事がちゃんとできない理由が何かあるのか」と詰め寄ると、会社側は説明できなかったという。ソープさんは、「企業が女性にハイヒールを強要することを違法にしよう」とオンライン署名を呼びかけ、10万人以上が賛同(16年5月12日時点)。ハイヒールをスタッフの服装規定に定めていたポーティコ社は、かかとが平らな靴の着用も認めるよう規定を見直したという。日本でも広がる共感の叫び日本でも、かかとをカツカツと鳴らしながらさっそうと歩くビジネスウーマンを見かけることがある。ばりばりと仕事をこなす「できる女性」の象徴アイテムのように捉えられがちだが、実は「ハイヒールで仕事するのなんかイヤ!」と考える女性は少なくなかったようだ。「10万人抗議」のニュースを受けて、ツイッターでは、「ハイヒール強要とかばっっっかじゃないの!? 男も7cm以上のヒール履いて活動してみろ死ぬから」「外反母趾になり骨も変形する。スーツでスニーカー履きたい!」「ハイヒール二日履くと豆がつぶれて大変なことになるわ。はいてる人にも周りにも凶器やで...」など、封印されていたかのごときハイヒールへの怒りが噴出。外反母趾や変形性股関節症を患ったためハイヒールを履きたくても履けず、強要などされては働けない、という訴えの声も上がっている。(MM)
記事に戻る