2020年 7月 4日 (土)

カープVがなぜ熱狂を呼ぶのか 「弱者戦略」成功ゆえと見たい

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若手の育成に金を投じる

   球界一の金持ち球団読売ジャイアンツとカープの選手の平均年俸では、今でも約2倍の差があるといいます。私の周囲にいる中小企業経営者たちがよく口にする愚痴に、「うちのような給料の安い中小企業に、優秀な人材なんて来てもらえない」「ようやく一人前になったと思った社員が、高給を求めてうちよりも大きな企業に転職されてしまう」がありますが、新制度後のカープの姿は、全くもってこれにダブるところだったのです。

   そんな「中小企業」カープは、いかにして「大企業」球団に勝つに至ったのでしょうか。四半世紀ぶりの優勝の裏側を伝える報道によると、そこには「中小企業」が「大企業」に勝つための長きにわたる弱者戦略が2つ、脈々と施されていました。

   まずひとつ目。フリーエージェントで主力選手を失ったカープが、選手放出の見返りとして得た収入を、他球団からの選手引き抜きに充てるのではなく、若手選手の育成に惜しげもなく投入したということ。

   現在のカープを支える選手の大半は、他球団からの引き抜き組でもなければアマ時代から「プロ注目」と騒がれた選手でもない、カープで鍛えられ育った選手たちなのです。「人を育てる」ことに徹する歴史が今の強いカープを作ったと言っても過言ではないでしょう。

   そしてもう一つは、「ファンを大切にする」姿勢です。

   市民球団であるという事情があるにせよ、カープには、応援してくれるファンをいかに楽しませるかを常に考え、行動する姿勢に溢れているのです。その好例が地元広島市を動かして2009年に完成したマツダスタジアム。砂かぶり席や、バーベキューを楽しみながら観戦できるエリアなど、米国視察などで得たアイデアがふんだんに盛り込まれた球場はファンの心をつかみ、「カープ女子」なる言葉をも生み、戦う選手たちの士気を高めるうえでも一役買ったのです。

   どうでしょう。「所詮うちは中小企業だから」、何事につけふた言目にはそんな弱音が口をつく中小企業経営者には、本当に参考になる事例に溢れているとは思いませんか。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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